「クリーニングに出している服のほとんどは家で洗えます」とダウンやスーツなど自宅でも簡単に洗える方法を広める”洗濯ブラザーズ”をご存じだろうか。有名劇団やアーティストからクリーニングの依頼を受けるなど実力も兼ね備える洗濯ブラザーズ次男で、都筑区内でクリーニングリブレを営む茂木康之さんに洗濯にかける情熱を伺った。
「洋服好きにとってクリーニングは汚れを綺麗にでき、衣類を大切にできるすごいこと」。そんな思いがあり、2000年にアパレル業界からクリーニングの世界に足を踏み入れた。
都筑区すみれが丘に店を構え、青葉区にも「大切な洋服を1枚だけ預けてください」と一軒一軒訪ね歩いた。地道に地域での信頼を積み重ねているとターニングポイントになる出会いがあった。
日本にはリブレがある
「しみ抜きをお願いしたい」と青葉区にセンターがある劇団四季からの電話が。突然の連絡に驚きながらも依頼を受けると「次は汐留に来てください」との内容。足を運ぶとアラジンの衣装が並べられ「これを5年着用できるように洗ってほしい」と依頼された。
舞台衣装は頻繁に洗うことができないことに加えファンデーションやドーラン、擦れ汚れが。通常のドライクリーニングは石油を使って洗うので形を崩さずに洗うことができ、乾きやすい利点があるが、薬剤が残ると低温火傷になることもあり肌の弱いアーティストには適さない。深層の汚れを取り除くには洗浄力が弱いなど課題があった。「いかに効率的に洗うか」と考え独自の洗剤開発に乗り出した。
「腕の良いクリーニング店が日本にある」と業界で話題になり、シルク・ドゥ・ソレイユやクレイジーケンバンドなどのアーティストのコンサート衣装のクリーニングも担当した。ある担当者からは「日本の公演が素晴らしかった。次もあれば指名する」と声をかけられ、数年後再び担当した。「初めは大変そうでできるか弱気になったこともあるが、挑戦したことが次の挑戦に繋がる自信になった」
洗濯で新たな価値を
「家で洗えますと言っているので本当に店に来なくなってしまったお客さんもいるんです」と笑顔の茂木さん。それでも洗濯の方法を伝えるには理由があった。「自分でやってみることで洗濯の大変さを経験しプロの凄みを感じてほしい。生活環境の変化で店を利用する人が減少傾向にあるが、クリーニングが必要と思われる産業になれば」と思いを込める。
「大切な服を手にしたときその素材に適した洗濯方法を伝えていきたい、オシャレでかっこよく、環境にもいい、そんな新たな価値を発信していきたい」。
自分の住むまちにリブレがある--自慢できるような場所にと挑戦は続く。同店ではオリジナル洗剤も販売中。(問)【電話】045・624・8320/都筑区すみれが丘20の2
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