歴史探偵・高丸の「あお葉のこと葉」ファイル vol.9 「そそらそっぺ」
ほっぺが落ちそうなほど甘くて美味しい♪心そそられるスイーツ…ではない。関東で使われていた方言だ。
「こらっ!そそらそっぺな仕事してっと、ケガすんべぇ!」などと使っていた。すなわち、いいかげん、中途半端という意味だ。同じニュアンスで思いつくのが「上の空」。平安時代から使われている言葉で、心奪われている状態を表す「空なる心」が、強調されて「上の空なる心」と表現したのがはじまり。「そそら」とは、この「上の空」の空ではなかろうか…と、考えた。しかしなぜ「そ」を二つ重ねる必要がある?「そらそっぺ」じゃダメなのか?疑問が湧いた。
そこで思いついたのが「気もそぞろ」という言葉。「そぞろ」は「漫ろ」と書く。意味は、何かに気を取られて落ち着かない状態。「上の空」と同じである。「そぞろ」が「そそら」になったとするなら「そ」が重なる理由も解ける。
じゃあ「そっぺ」は何か?ネットで検索したら、仙台弁の「はぎれの板、薪」がヒットした。でも、これは却下。次に見つけたのが「そっぺねー」。新潟の方言だ。「味が足りない」とか「素っ気ない」という時に使うらしい。「気もそぞろで素っ気ない」お!これはアリかも…。
なんてことを考えていたら、隣でカミさんが何やら喋っているのに気がついた。「え、何?」返事をすると、「さっきからずっと話してるのに、聞いてなかったの?」「もう、いい!」と、キレられた。なだめすかすも完全無視の「そっぺ返し」。やれやれ、そそらそっぺはケガの元。考え事はお風呂にかぎる。
(つづく)
さらに詳しい情報は、ブログ「歴史探偵・高丸のニッポン放浪ファイル」を御覧ください。
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