コラム「学校と社会をつなぎ直す」【16】 地域課題に共に取り組む教育機関へ 桐蔭学園理事長 溝上慎一
学校が地域づくりに関わる話の続きである。桐蔭学園は大学を持つ総合学園ということもあり、社会の急速な変化、問題解決に携わる人びとを支援するために、2018年に「トランジションセンター」 を設立した。子ども・学生を育てるだけの教育機関ではなく、地域が抱える課題に共に取り組む教育機関でもありたいと考えたのである。
トランジションセンターで優先して進めるのが地域連携支援である。もともと学園は大学に地域連携・生涯学習センターを持っており、講座を長年提供してきた実績がある。今それを、青葉区・都筑区をはじめとする地域住民の人生100年時代のライフ(生活・人生)を支援する講座であると位置づけ直し、講座内容も趣味や語学からアカデミックな学問、生き方、ビジネス、資格まで、そして学園の強みでもある音楽や芸術、健康に関する講座も補強して事業を充実させている。
今年、あざみ野商店会の「認知症の人にやさしい街プロジェクト」をお手伝いし始めた。地域の人びとだけが知る事業に終わらせず、アンケート調査やデータを分析して事業を見える化し、全国に情報発信しようという役割を買って出たのである。地域以外の人びとから関心を寄せてもらうことが、地域事業の一層の発展に繋がるはずである。手前味噌であるが、大学を持つ桐蔭学園として、この手のアカデミックな作業はそんなに難しいことではない。
(次回へ続く)
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