すすき野に4月1日、「まちの保健室」を開所した 横山 郁子さん 荏田町在住 53歳
看護の力で笑顔を広げ
○…「看護を通して笑顔が感染する活動を」を合言葉に、区内で出張形式の健康相談会「まちの保健室」を開いて4年。念願だった常設拠点をすすき野に開所した。「医療への架け橋として、健康が気になればいつでも駆け込める場にしたい」。近隣住民がボランティアを申し出たり看護師が見学に来たりと、早くも地域と医療をつなぐ拠点になっている。
○…演奏家を目指して音大で学んでいたが、1年生の頃に手術入院したことが人生の転機に。「患者に寄り添った声掛けをする看護師になりたい」と思い立ち、音大を中退。日中のアルバイトで学費を工面しながら夜間の看護学校に通い、免許を取得した。「親には申し訳なかったけど当時はがむしゃらだった」と振り返る。
○…8年勤務した外科病棟では看取ることも多く、「このまま病院で亡くなることが患者のためになるのか」と自問自答。「住み慣れた家に看護を持ち込めれば」と訪問看護に転職。3年前に独立して会社を立ち上げた。「自宅療養は家族の負担も多いが、一日一日を大切に一緒に過ごせる」。がんを患い、在宅医療を選んだ母親の看護体験も生かされている。「食べたいものを食べ、行きたい場所に行く。患者さんのやりたいことが叶えられたときが一番うれしい」と目を細める。
○…趣味はマリンバ演奏。地元の横浜緑吹奏楽団には15歳から所属している。楽団で出会った夫と大学生の息子の3人暮らし。「今回の開所準備も家族に手伝ってもらった。日頃の協力があってこそ」と感謝する。今後の目標は「生活に関わることすべてを解決でき、地域の人も活躍できる場にまちの保健室を育てていくこと」。信じてきた看護の力で、地域に笑顔を「感染」させる。
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