4月に桐蔭学園中等教育学校の校長に就任した 玉田 裕之さん 鉄町在勤 57歳
「しなやかさ」生徒たちに
○…「実現したい未来に向けて、夢を育める環境でありたい」。生徒の将来の話だけではない。社会を変えていく、作っていくというマインドも育てたいと抱負を語る。
○…国立市と成田市で育ち、大学卒業後に国語教員として桐蔭学園へ。受験指導を通じて生徒の手助けをしたいと考えたのがその理由だ。当初は予備校講師のようだったと話すが、3年目に初めて担任を持ってから少しずつ変化が。生徒の話を聞き、一緒に掃除をしながら「黒板の前に立っているだけでは本当の教育にはならない」と考えるように。学力だけではなく、人間性も大切に。「自分も教師になっていった」と振り返る。
○…部活動もせず、斜に構えて冷めた目で物事を見ていた高校時代。今でこそ学園祭実行委員会や生徒会で若い熱気に触れ、当時を思い返して後悔もするが、「だからこそ乗り気になれない生徒の気持ちも分かる」と笑う。そんな生徒には「自分が主人公になれるものを見つけてほしい」。大学時代に全くの素人からクラリネットを始め、夢中になったジャズクラブでの活動を引き合いに思いを語る。今の趣味は読書と映画鑑賞。好きな日本酒をずっと飲み続けるという酒豪の一面も。
○…桐蔭学園が力を入れる「アクティブラーニング」は従来の講義型授業だけではなく、生徒による能動的な活動を取り入れる。一教員としては指導スタイルを変える難しさもあったという。それでも「生涯学び続ける人間を育てるのが目標なんだから自分も変化していかなきゃ」と努力を重ねた。社会が変わる中で自らアップデートする「しなやかさ」も経験から生徒に伝えたいこと。卒業アルバムに書く言葉はいつも「前途洋洋」。生徒たちの世界を広げる役目に力を尽くす。
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