青葉区(天下谷秀文区長)と学校法人桐蔭学園(溝上慎一理事長)はこのほど、共同で認知症に関する健康調査研究を行うことを発表した。40歳から79歳までの区民を対象にアンケート調査などを実施し、将来的には認知症のリスク低減施策につなげたい考えだ。
実施する調査は心理・社会面のアンケート調査と、運動機能測定の2種類。8月に3000人にアンケート用紙を郵送するほか、6月末から区内の地域ケアプラザなどで対面でも実施する予定だ。調査自体は同学園トランジションセンターと桐蔭横浜大学の教員や学生らが担う。
老年期(65歳から79歳)だけではなく、中年期(40歳から64歳)も対象としているのが特徴で、認知症リスクの早期発見が主目的。今年度中に公表予定の調査結果を踏まえて、区は認知症発症リスク低減につながる事業企画に生かす。また、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」の構築を進めるとしている。
健康寿命を延伸
厚生労働省のデータによると、青葉区は男性平均寿命全国1位(83・3歳)、女性も9位(88・5歳)と全国屈指の長寿エリア。一方、全国調査では、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる「健康寿命」との差は、男性で8・84年、女性で12・35年あり、いかに平均寿命に近づけるかが課題だ。2035年には区内の高齢化率が32・7%になると見込まれている中で、今回の調査は認知症など心の健康を重視しながら、健康寿命を延ばしていくためのものだ。
トランジションセンターの武田佳子所長は「中年期から調査することで認知症の早期発見、治療に生かしてもらうだけではなく、どういう生活をしているとリスクが高いのか見ていく。調査結果は区政に生かしてもらい、区民の健康につながれば」と話している。
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