(株)緑山スタジオ・シティの代表取締役社長を務め、教育プログラムを案内する 永田 周太郎さん 緑山スタジオ・シティ勤務 52歳
作品の世界観大切に
○…数々の人気ドラマなどを生み出してきたTBSの制作スタジオ「緑山スタジオ・シティ」の代表を務める。横浜市と新設した中高生を対象に施設見学やドラマ制作体験ができるキャリア教育プログラムでは、自らが案内役となり、経験談を熱く語りながら生徒たちに映像コンテンツ制作の楽しさを伝えている。
○…広島県呉市出身で大のドラマ好き。広島大学工学部で建築を学んだ後、両方を活かした職を探す内に出会ったのがTBSテレビだった。美術デザイナーとして採用され、ドラマの舞台セットや、ロケで使用する美術道具を扱う美術班をまとめてきた。脚本を熟読してプロデューサーたちと構想を練りながら図面を引き、セットを作り上げる、作品の世界観を決めるとも言える仕事。これまでに手掛けた舞台セットは『陸王』や『ROOKIES』『JIN─仁─』などジャンルを問わず、60本にも及ぶ。
○…生まれ育った地を舞台にした作品は中でも思い出深い。伊藤熹朔(きさく)賞を受賞した『広島・昭和20年8月6日』や呉市を舞台にした『この世界の片隅に』では現地に何度も足を運び、実際に広島から緑山スタジオに民家を移設、宮大工に依頼するなど原作を忠実に再現することにこだわった。
○…社長に就任して一年強、制作からは離れたものの、スタッフとは現場時代からの長い付き合いで助言もたまにするという。「ドラマの制作は見る側と作る側では違った良さがある。一度沼に入ると抜け出せない」と魅力を語る。入社前から全局のドラマチェックは欠かさない。「自分たちはドラマのことを作品と呼んでいる。視聴方法が変化する中だが少しでも多くの人の目に留まったら嬉しい。生徒さんには制作裏を見ることで楽しさを知ってもらえたら」
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