「硝子体手術のタイミングやリスクについて」 コラム【38】 悠先生のちょっと気になる目のはなし
眼の奥(眼底)の病気を治す手術のことを硝子体手術といいます。硝子体とは眼球内の空間を満たす透明なゼリー状の物質のことです。眼底を手術するためにはこの硝子体を処理しないといけないので硝子体手術と呼ばれています。治療対象は黄斑前膜、黄斑円孔、網膜剥離、糖尿病網膜症、網膜中心静脈閉塞症、硝子体出血、眼内炎など多岐にわたります。
ひと昔前までは入院で行うことがほとんどでしたが、最近は日帰りでの手術も多くなりました。局所麻酔をしっかりと効かせてから白目(結膜と強膜)に小さな針孔を3、4カ所開けて硝子体や眼底の治療をします。時間は治療する疾患によりますが、早ければ15分程度、長いと1時間近くかかることもあり、鎮静剤などを点滴しながら行うこともあります。
手術のタイミングも疾患によって異なりますが、網膜剥離や眼内炎(眼の中の感染)などは緊急手術の適応となります。その他の疾患は進行スピードによりますが、早ければ1カ月以内に行うことが望ましい場合があります。手術によるリスクは、網膜剥離、眼内炎、出血などです。しかし、これらは技術の進歩によって発生頻度は低下してきており1%以下と言えます。硝子体手術は眼科領域の中でも近年最も進歩している分野の1つと言えます。
市ケ尾町の「梅の木眼科医院」の加藤悠院長が、目を健康に維持するために大切なことを分かりやすく教えてくれるコーナーです(月1回第2週目に掲載)
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