コラム(51)専門医が分かりやすく解説 目のお悩みQ&A 『アドオンレンズとはどんな治療でしょうか?』
アドオンレンズ(add-on lens)は白内障の術後の見え方を変えるために、もう一枚追加で入れるレンズのことです。白内障手術の時には多焦点レンズか単焦点レンズか、単焦点レンズであればピントの遠方・近方を決めます。また、レンズの度数は計算で決まります。術後、見え方が予定通りにいかない場合や、しばらくして不便を感じるようになった場合は、レンズを入れ換える再手術が対処の基本になります。しかし、手術から時間が経つと入れ換えが困難な場合があります。そんな時に有効なのがアドオンレンズです。
アドオンレンズの手術は点眼麻酔で白内障の手術と同程度の創を作り、レンズを入れ、眼の中を洗浄して創を閉じます(通常、無縫合)。5分程度で終わる侵襲の少ない手術です。計算がズレた度数の調整、ピントの遠方・近方を変えたい、単焦点レンズから多焦点レンズに変えたい等の場合が適応になります。
一方で、多焦点レンズから単焦点レンズに変えたい場合は適応にならず、レンズの入れ換えをするしかありません。また、あくまで見え方を変えるレンズなので、遠くが見えている眼に近くに合う単焦点のアドオンレンズを入れても両方が見えるようにはなりません。術後しばらくして見え方にお困りの方にはよい治療だと思います。
※アドオンレンズは自費の治療になります。
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