沖縄小林流空手道協会の昇段審査会で錬士六段を取得した 久保 貴英さん 桜台在住 42歳
空手の真髄、その手に
○…10月に沖縄小林流空手道協会の昇段審査会で錬士六段に昇段し、師範になった。六段になると、小林流を継いで道場を立ち上げることが可能に。来年4月に道場名を「志道館」に変え、再出発を果たす。空手に身を捧げ40年。六段という節目に「とても感慨深い。独立した意味がようやくできた」と胸をはる。
○…生まれは愛媛県だが、すぐに今も住む桜台に。みたけ台小、みたけ台中を卒業した。空手を始めたのは2歳の頃。「気が付いたら道着を着ていました」。小・中と別のスポーツをやったこともあったが、最終的には空手に落ち着いた。「生涯を通して学べるのが武道の良さ。人間としても成長できるのが魅力」。大学は空手の名門、拓殖大学に進学し、部では主将を務めた。卒業後、空手に加えて「琉球古武道(武器術)を学びたい」と単身沖縄へ。半年間、稽古に打ち込み腕を磨いた。
○…印象深い思い出は、空手家の中達也氏との会話だ。高校生の頃、学校のOBだった中氏が指導に訪れた。小・中でいじめに遭っていた経験から「自分は弱い」と思っていた久保さん。中氏に「僕は強くなれますか」と質問した。返ってきた言葉は「強くなれるよ!」――。「あの言葉があったから、引き下がらないと決意することができた」と振り返る。
○…34歳で区内に道場「手武館」を設立。小学校の体育館や地区センターを拠点にしつつ、以降1500人以上に空手と古武道を指導してきた。教え子が世界大会で入賞するなど、思い出もたくさんできた。今は「”本物”の空手と古武道の技術や精神を後世に」との思いを胸に稽古に励む。「師事している眞栄城守信(まえしろもりのぶ)先生と同じ無形文化財の保持者になりたい」と目標を語った。
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