フランスの絵本『字のよめる牛』を翻訳し、自費出版した あだち みちこさん(本名:足立 路子) 青葉区在住 73歳
「子どもたちに届けたい」
○…「最初は、かわいらしい絵に惹かれて手に取ったんです」と表紙をなでる。自身が翻訳したフランスの絵本『字のよめる牛』が11月15日に発刊された。コロナ禍の影響を受け、紆余曲折を経てこぎつけた自費出版。「通訳の仕事はしていたけれど、翻訳は初めて。日本語らしい表現にこだわりました」
○…絵本に出会ったのは2020年、フランス大使館で開催された「フランス児童文学のブックフェア」でのこと。何気なく参加したが、実は絵本の翻訳者探しを兼ねたイベントだった。ページをめくれば、ほのぼのとした絵と共に語られる少女と若い牝牛の友情の物語。「日本の子どもたちにも読んでほしい」と翻訳を名乗り出た。その矢先、コロナ禍が始まり、進展がないまま4年近くが経過。それなら自分で出版社を探そうと昨年動き出し、ようやく自費出版での発刊に至った。
○…東京都世田谷区の出身。中学からミッション系のスクールに通い、そこでフランス語を学んだ。その後、フランス大使館の保護留学制度を使って2年間フランスの大学に留学。帰国後、フランス大使館に14年間勤めた。晩餐会などの場で日仏通訳なども経験したそう。当時、一緒に働いていた人々とは今でも交流がある。「上司・部下の距離が近く、すごく仲が良い職場でした」と思い出に浸る。
○…『字のよめる牛』は、素朴なストーリーの中に空想的な一面もあり、「結末の解釈は人それぞれ。子どもの想像力を掻き立てる絵本」だと話す。「言葉は一生懸命見て、聞いて覚えるのよ」と教えてくれるさりげないメッセージ性も。「読み聞かせにもぴったりのかわいらしい物語。本屋さんや図書館から、たくさんの子どもたちのもとに届いてほしい」
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