「国内承認された近視進行抑制点眼」 コラム【45】 悠先生のちょっと気になる目のはなし
この4月に国内で製造・販売が初承認された近視の進行抑制を目的とする点眼液が国内メーカーより販売されます。
この点眼液はアトロピンという成分の薬剤を調整したもので、これまでも個人輸入したり、院内で独自に調整するなどして販売されてきました。この点眼液を使用すると小児の近視進行を約38%抑制できるといいます。
近年、ライフスタイルの変化から以前に比べて、特に小児の近視人口が増加の一途をたどっています。近視の進行は裸眼視力の低下により生活に不便を生じるだけではなく、網膜裂孔や近視性黄斑症など疾患の増加も引き起こすとされています。また、生涯で最も近視が進行するのは8歳〜13歳頃までとされていて、小児期に進行した近視は基本的に戻りません。そのため、この時期に点眼を使用することで効果的に近視進行を抑制できるとされています。
しかし、販売は承認されましたが保険適応ではないため、現時点では自費診療となります。そのため薬代だけでなく検査診察代も自費です。また10%弱の方にまぶしさなどの副反応があったり、点眼を中止するとリバウンドで近視進行が点眼前に戻ってしまうなどの報告もあります。近視進行抑制は大きな現代課題です。気になる方はお近くのクリニックに相談してみてはどうでしょうか。
市ケ尾町の「梅の木眼科医院」の加藤悠院長が、目を健康に維持するために大切なことを分かりやすく教えてくれるコーナーです(月1回第2週目に掲載)
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