青葉台連合自治会の会長に就任した 小池 康喜さん 青葉台在住 85歳
心からつながる地域に
○…「どうぞ。狭い所だけど」。にこにこと目を細め、出迎えの声は温かい。就任半年で惜しまれて生涯の幕を閉じた斉藤秀樹氏の後を継ぎ、白羽の矢が立った青葉台連合自治会の会長職。青葉区がまだ「港北区」と呼ばれていた頃から、50年以上の付き合いのこの街で、「(選ばれたからには)やるしかないね。仕事が多くて大変だよ」と冗談めかして笑う。
○…東京都の高輪で生まれ育った。通信工事の会社に就職したものの、数年間で感じた「本当にこれでいいのか」という思い。「もっと成長したい」と、20代にして自分の会社を立ち上げた。「山あり谷あり、乗り越えてきたね」としみじみ。「そろそろマイホームを」と青葉台に居を構えたのは、そんな多忙な日々の中の事だった。
○…妻子とともに青葉台に移り住んだ1970年代の初め、時を同じくして青葉台二丁目自治会が立ち上がった。当時は泥道に街灯もなく、大雨が降れば、冠水した道に舟を出して移動した。「まずは道路の舗装と街灯の設置から。ほかの地域より早く、明るくきれいになったんじゃないかな」。自治会でおこした祭りは、形を変えて今も続いている。副会長を長く勤め、会社の引退と同時期に会長になった。会長歴は今年度で22年目、懐かしさはひとしおだ。
○…「向こう三軒両隣」。戦後、互いに助け合い、支え合う地域の在り方を見て育った。時代は変われど、「もっと心からのつながりがほしいよね」と思案顔。「とにかく顔を合わせる機会を作ること。顔見知りになるだけで意味がある。そこから自然と関りが深まっていくし、何かあった時に助け合えるからね」。南北に広い同連合自治会。駅前だけでなく端々まで気を配る。できることからコツコツと。
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