第17回日本学生ハーフマラソン選手権大会で優勝した 山中秀仁(ひでと)さん 日本体育大学3年 青葉区在住
己を律し、輝く脚力
○…3月2日、東京都立川市で行われたハーフマラソンに出場し、1時間2分9秒の自己ベストで頂点に立った。「日体大のエースとして、1位をとらなきゃ」。新エースの誇りと自覚が、持ち前の我慢強い走りを後押しした。この春、前主将の服部翔大選手ら主力の4年生が抜けたチームで、新たなスタートを切っている。
○…大阪府出身。格闘技好きだった父親の影響で、小2から空手道場に通い、中学では友人の誘いで陸上部へ。当初は短距離走で結果が出ず、2年生から長距離に転向し「自分に合ってる」と手応えをつかんだ。「負けたらやられる一方だったから、勝つしかなかった」。空手で培った、そんな「勝負魂」は陸上でも変わらない。故障知らずの自己管理力や、準備万全で試合に挑む姿勢にも一貫している。
○…大学1年で箱根駅伝デビューを果たし、3区6位。チームは30年ぶりに優勝したが、満足できる内容ではなかった。「先輩に甘えていた。これからは戦力にならないと」。チームを引っ張ろうと、厳しい練習に先頭を切って立ち向かうように。学年を超えてチームメートの調子や状態に気を配りながら、積極的に声がけもしてきた。努力が実り、昨夏以降は学生三大駅伝の「出雲」3区2位、「全日本」2区と「箱根」1区で区間賞と結果を残している。「次の三大駅伝はエース区間を走りたい」。出雲と全日本はアンカー、箱根は山登りの5区を願ってやまない。
○…大学卒業後は実業団に進み、東京五輪のマラソン代表選手になるのが夢だ。「世界で勝ちたい」。初挑戦で52位に終わった、昨年3月の世界クロスカントリージュニア。世界との差を縮めるために「練習を好きにならないと」。そんな「練習の鬼」も、実はサッカー好き。日本代表候補のJ1セレッソ大阪、南野拓実選手は高校の1年後輩だ。「いつか海外で暮らせたら。ヨーロッパでサッカーを観たい」。二十歳(はたち)の瞳は、海の向こうをそっと見つめる。
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