外部団体と協力して独自の就職支援事業「バイターン」を進める県立田奈高校(中野和巳校長)に本日11日、相談窓口「ぴっかりカフェ」がオープンする。在校生や卒業生への事業周知や居場所づくりが目的で、ウェブを活用して運営資金を確保している。
バイターンは、アルバイトとインターンシップを掛け合わせた造語。生徒に就業体験の機会を与えることが目的だ。3日間のインターン期間を設けて生徒と企業のマッチングを図り、双方が希望した場合にアルバイトの雇用契約を結ぶ。「ぴっかりカフェ」は、就職相談の窓口であると同時に「生徒たちが気軽に足を運べる『居場所』にしたい」と担当の金沢信之教諭は話す。
生活困窮世帯など困難を抱える生徒が多く在籍する同校では、卒業時に進路が決まっていない就職希望者が多かった。そこで、外部の専門家による相談窓口「キャリア支援センター」を2010年、校内に開設。同センターに相談員として赴任した石井正宏さんが「卒業してしまうと支援が難しくなる。在学中の支援にもっと力を入れたい」と考えバイターンを発案した。
12年1月に開始し、これまでに28人がインターンを行い、21人がアルバイト契約に。そのうち2人が正社員になっている。バイターンを受け入れている、藤が丘のイタリアンレストラン「ナチュラーレ・ボーノ」の植木真代表は、「素直な生徒が多く、一生懸命やってくれるのでありがたい」と語る。全国からも徐々に注目を集めている同事業。神奈川県の「新しい公共支援事業」として行っていたが、昨年3月に打ち切られ資金不足に陥っていた。
寄付金で運営へ
石井さんは、バイターン事業の運営にかかる費用などを調達するため、NPO法人パノラマを設立(申請中)。地域の課題解決をめざすNPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボが運営するウェブサイト「ローカルグッドヨコハマ」で、10月24日に「有給職業体験プログラム『バイターン』実施プロジェクト」を開始した。事業内容に賛同した人による寄付を募るもので、目標金額は90万円。集まっている支援金は88万4千円(8日正午時点)で、来年1月11日まで募集する。
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