市立桂小学校出身の増田栄一郎さん(26)が、ウェブ上で漫画を読める(株)KADOKAWAのサービス「コミックウォーカー」で、青葉台を舞台にした漫画『いつも隣に宇宙人。』を連載している。1月10日には、1話から5話をまとめた単行本が同社から刊行された。
漫画は、アニメ制作会社(株)エイトビットロケットに所属する増田さんが、「田丸鴇彦(ときひこ)」というペンネームで初めて絵と物語作りを手がけた作品。ほのぼのした青春コメディが、かわいらしいタッチで描かれている。イラストレーターの仕事を中心に行っていたが、関係者の紹介で昨年3月に創刊した「コミックウォーカー」での連載が始まった。連載は月1回。絵にはパソコンの画像制作ソフトを使用している。
物語で青葉台は、20年前に人類史上初めて宇宙人を迎え入れることになったまちに設定されている。特に多くの宇宙人が通学する仮想の学校「青葉中学」では、文化の違いなどの悩み解決にあたる部活動「相談部」を設置。廃部寸前になった今、人間と宇宙人の間に生まれた主人公の女子生徒、三嶋花野(かの)が部長に就任し、仲介役として周囲の悩みを解決していくストーリーだ。
小学4年生から18歳までを青葉台で過ごした増田さん。漫画を描く上で実際のまちをモデルにしようと、「他の場所より緑も多く、人々の余裕もある」と感じる、思い入れのある地元青葉台を舞台に選んだ。
主人公が屋上からまちを眺める場面の絵には、実際に母校の桂小学校の屋上に行き、当時からの友人と協力しながら撮った写真を見て描いた。このほか、桜台公園なども背景のモデルにしているという。
「家族愛」テーマに
家族を仲直りさせるなど、主人公が相談部として活躍しながら「家族愛をテーマに、異なる種族が仲良く暮らす姿を描きたかった」と増田さんは話す。主人公の家族は、両親が人間の母と宇宙人の父という珍しい構成。仲の良い主人公の家族を描くことで、「読んだ人が、こんな家族や友だちをつくりたいと思ってくれる作品にしたい」と増田さん。今後は、主人公や周囲の家族関係が明らかになっていく展開だ。
「コミックウォーカー」担当の新田晴朗さんは「実在するまちがモデルになっているので、SFに馴染みのない人も親しみやすい」と評価する。第一巻は全国の主要書店で販売(580円税別)しているほか、インターネットでも購入できる。
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