みたけ台の児童福祉施設「神奈川県立中里学園」が、来年3月に閉園する。70年の歴史に幕を下ろす同学園では、10月16日(日)に最後となる学園祭を開催。職員らは、卒業生をはじめ地域住民の参加を呼びかけている。
中里学園は、戦後まもない1946年9月、戦災孤児のための児童保護施設として県が設置。所在地の都筑郡中里村(当時)にちなみ「中里学園」と命名された。同年12月、児童5人が入園し、その歴史がスタート。48年には児童福祉法が施行され、さまざまな事情により家庭で生活することができない子どもたちが入所する「児童養護施設」となった。99年からは、川崎乳児院の統廃合により乳児院も併設。70年間で1485人の子どもたちを送り出し、現在は0歳から18歳まで、27人が在籍している。閉園後は、それぞれの状況により各地の福祉施設に移る予定だという。
平塚に新拠点
同学園は、港南区の知的障害児施設「ひばりが丘学園」とともにその機能が統合され、「児童自立支援拠点(仮称)」として来年4月、平塚市に新たに整備される。この拠点は乳児院、情緒障害児短期治療施設、障害児入所施設を集約。障害の程度や家族の状況などにより家庭で生活することが難しくなった子どもたちを一定期間預かり、必要なケアや教育を行う。3つの施設を一体的に運営することで、障害や年齢に応じた切れ目のない支援が可能になるという。
中里学園の跡地には横浜市北部が「空白地域」だった特別支援学校が2020年の開校を目途に新たに整備される予定。また敷地の一部を活用し、今年度中に横浜市が民営の児童養護施設を整備する方針だ。
「ぜひ参加を」
学園祭の前身は、53年に卒園者や在園児童、職員らの親睦のために初めて行われた「栗まつり」。卒園生が帰ってくるきっかけを作ろうと、当時学園の名物だった栗を振る舞って交流しようと企画されたという。以来、毎年10月の恒例行事となり、学園を支えるボランティアの数が増えるにつれて、学園祭として地域に開かれたイベントになっていった。土橋俊彦園長は「卒園生にとっては足を運ぶのも複雑な思いがあるかもしれないが、最後の学園祭になるのでぜひ参加してほしい。たくさんの人に感謝する場として、心の中に中里学園を刻み込んでほしい」と話している。
学園祭は10月16日、午前10時から午後2時30分まで開催(雨天決行)。10時30分から開会式を行い、午前11時からバザーや模擬店が開かれる。午後1時から、アトラクションとして日本体育大学ダブルダッチサークルや桐蔭学園高校和太鼓部が演技を披露。また、卒園生による出し物も予定されている。学園祭の問い合わせは同祭実行委員会【電話】045・973・1119。
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