ニューヨークの国連本部ほかで5月11日から13日まで行われる高校模擬国連世界大会に、桐蔭学園中等教育学校6年の青木渓君と高橋遼君の2人が日本代表団の一員として出場する。同校の世界大会出場は3年連続7回目。
模擬国連とは世界で活躍できる人材を育成しようと、国連会議のシミュレーションを通じて実際の国際問題について学ぶプログラム。参加者が国連加盟国の大使役となり、各国の立場で交渉していくため、スピーチ能力やリサーチ能力、合意形成能力、問題解決能力が問われる活動だ。
2人は同校の模擬国連部に所属。書類選考など一次選考を通過した2人は、昨年11月に東京の国連大学で行われた第10回全日本高校模擬国連大会に出場。日本全国から参加した86チームの中から最優秀賞に続く優秀賞を受賞し、世界大会に出場する日本代表団6チームの1つに選ばれた。
全日本大会でのテーマは「国際安全保障の文脈における情報及び電気通信分野の進歩」(サイバー空間の安全保障)。2人は新興国であり、またサイバー犯罪が多いという理由でブラジルの大使役を選び、参加した。会議の席では青木君が自国の主張をした上で近い意見の国々と一致点を見出してグループ形成を図り、高橋君が情報収集を進めるとともに議場全体の動きを見て議論をマネジメントするなど役割分担。2人の調整能力と全体を統括する動きが評価された。
途上国の大使役として
世界大会には例年20カ国以上、同世代約2000人が参加する。今回のテーマは「すべての人達に健康状態を保障する」。2人は今回、西アフリカの島国、カーボヴェルデの大使役に。会議では他のアフリカ諸国と連携して途上国としての意見をまとめ、先進国に対し、一方的な支援ではなく、住民のニーズに合わせたサポートを要求する方針だ。
同部顧問の橋本雄介教諭が「お互い価値観も性格も違う。見る方向が違うからこそ、多角的な分析ができる」と評価する2人。将来はシンクタンクや公務員など何かを支える仕事をしたいと話す青木君は、大会を前に「世界の高校生2000人と会う機会はない。多くの高校生と議論し、コミュニケーションをとりたい」と意気込みを話す。一方、人のための仕事や経営に携わりたいと話す高橋君は「日本と違うすごい人が集まる中、どれだけ自分ができるのか、全日本大会と同じように議論をまとめたい」と意欲を語る。2人は「日本代表として後悔したくない。やりきって帰ってきたい」と目標を話している。
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