横浜市は、国民健康保険加入者の特定健診(メタボ健診)を4月1日から無料化した。関東の政令市では、さいたま市に続いて2例目の取り組みとなる。市は「低迷が続く受診率の向上につなげたい」としている。
対象は40〜74歳
特定健診は、40歳から74歳の人を対象とした、メタボリックシンドロームに着目した健診。高血圧症や糖尿病などの生活習慣病の予防を目的に、2008年から全国で実施されている。
都市部ほど受診率が低くなると言われ、最新の集計では、横浜市の受診率は21%。全国平均の36・3%を下回っている(政令市ではワースト3)。
伸び悩む受診率改善をめざし、市は昨年度、対象者全員に受診案内を送付した後、半年経っても受診していない約10万人に対し、再度ハガキでの通知や自動電話を活用した催促を行ったが、現段階の見込みでは大きな変化は見られない模様だ。
初年度予算は1・3億円
こうした状況を打破しようと打ち出したのが今回の無料化。初年度は約1・3億円の予算を投じ、健診にかかる自己負担額(一般的に1200円程度)を無料にする(広報費含む)。健診は、横浜市と契約している医療機関(市内に約1150カ所)で受診でき、居住区以外でも受診が可能(要事前予約)。主な検査項目は問診・身体計測・血液検査・尿検査など。
今年度目標は28%
市は当初、昨年度の受診率目標を35%と掲げていたが前年度実績を踏まえ、23%に下方修正。集計結果は今秋頃明らかになるというが、無料化に取り組む今年度は28%を目標とし、様々な啓発に着手する。未受診者を対象に行った意識調査で「特定健診を受診しなかった理由」として、「定期的に通院している」「かかりつけ医で検査している」が上位にあげられたことを受け、「市医師会など関係機関とも連携を密にし、受診を促したい」とし、対象者全員に送付していた受診案内についてはそれぞれの年代に合わせた書面に作り分けて送付することを検討しているという。
市健康福祉局保険年金課の担当者は「受診率があがれば、医療費抑制に加え、保険料も抑えることができる。無料化と合わせ、それぞれの年代にあった啓発をきめ細かに行うことで、受診率向上を目指したい」と話している。
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