横浜市営地下鉄ブルーラインのあざみ野駅〜新百合ヶ丘駅間の延伸について、青葉区と川崎市麻生区で行われていたボーリング調査が11月初旬に終了。これらの調査を踏まえ、市は2018年度末までに事業化を判断する予定で、検討作業は大詰めを迎えている。
長年検討されてきたあざみ野駅から新百合ヶ丘駅までのブルーライン延伸計画。16年4月に出された国の交通政策審議会の答申で、延伸の意義があると位置づけられたことを受け、林文子市長は今年度末までに事業化の是非を判断する考えを明らかにしている。
延伸が実現すれば、横浜市と川崎市の拠点を結ぶ鉄道ネットワークを担うだけではなく、災害時などの輸送障害に対しても代替経路としての役割が期待される。
地質調査が終了
以前から都市整備局による基礎的調査は行われていたが、答申を受けて交通局は改めて鉄道の事業候補者として具体的な検討を開始。17、18年度に各1億円の予算を計上し、ボーリングを含む各種調査を実施している。
今回終了したボーリング調査は地下30〜40mまで穴を掘り、土の性質等を調べるもの。2年間であざみ野〜新百合ヶ丘間を広範囲に約30カ所調査してきた。地盤の状況を確認することで、必要なトンネルの構造や造り方を把握することが目的。また調査結果はルートや駅の場所を選定する上でも参考にするという。
こうしたトンネル・ルート・駅の検討のほか、換気機械や信号等の設備関係も概略を計画し、必要な設備と費用を把握する作業も実施。これらの調査から最終的に総事業費を算出し、採算がとれるかどうかを検討。需要の見通しや費用対効果等も含め、並行して検討作業を行っている。
川崎市と協議続く
一方、関係機関との調整役を担う都市整備局。特に川崎市とは延伸が決定した場合、市営地下鉄が川崎市側に入る形になるため、11年度から話し合いを実施。主にルートや駅についての協議を継続しており、都市整備局は「徐々に検討が深度化している」と説明する。川崎市側に中間駅が必要かどうか、また費用面はどう分担するか等も話し合っているという。
区間内にいくつの駅が設置されるかは、川崎市との話し合いと、市での検討を進めた上で決定する方針。決定・公表時期は検討中としている。
このほか、鉄道を整備した場合に想定される駅前広場や駐輪場、道路等の交通基盤の需要や、どこに何を作る必要があるかを把握するため、コンサルタント会社へ調査委託も行っている。
今年度末までの事業化判断を前に、都市整備局は「市民のためになる判断となるように、きちんと検討していきたい。必要な関係者としっかりと話し合いを続けていく」と話している。
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