神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
青葉区版 公開:2019年10月31日 エリアトップへ

〈連載【6】〉鳥畑与一教授に聞く カジノは負の経済効果 IRと横浜

公開:2019年10月31日

  • X
  • LINE
  • hatena

 横浜へのカジノを含むIR(統合型リゾート)誘致について静岡大学の鳥畑与一教授(61/金融論)に話を聞いた。



 横浜市が誘致するIRはMICE、宿泊施設などの面積が97%で、カジノは3%以下。しかし、非カジノ施設の利益率は低く、高収益のカジノがないと成立しない。非カジノ施設を使って集客し、カジノに誘導するのがビジネスモデル。カジノで儲けるために97%の施設があるということだ。

市民負担の懸念

 林市長は誘致で年間1200億円の増収が期待できると話したが、納付金収入は事業者の粗利益の15%だ。この数字はカジノで8千億円近い儲けがないと達成できない。シンガポールのマリーナベイ・サンズの昨年の収益が約22億ドルなので、3倍強の規模。かなり背伸びをした印象だ。

 仮に売上が思惑通りだと、市民らが相当負け、ギャンブル漬けにならないとこの数字は成り立たない。一方、想定通りの売上がなかった場合は、事業者と結ぶ実施協定により、自治体が損失補填をするかもしれない。どちらにしても市民の負担となる懸念がある。

 カジノ客の8割は国内客と見られ、本来は地元で使われるべきお金がカジノに吸い込まれ、消費力が奪われる。また、事業者はIR内で安く宿泊・食事を提供するなどの優遇サービスで客を囲い込むため、IR以外のホテルやレストランは価格面で不利となる。カジノはマイナスの経済効果をもたらす可能性も高い。

リスクの情報提供を

 アメリカの依存症調査によるとカジノ周辺地域の人ほど常習者になる。入場料の6000円は、ターゲットとなる中間所得層、富裕層などから見ればハードルにならない。依存症が増えれば、失業や家庭崩壊による生活保護費が増加するほか、犯罪が増えて治安維持費もかかる。これら社会的コストが、自治体の負担としてどのくらい転嫁されるのかも含め、負の影響を評価する必要がある。

 色々な問題を引き受けるのは市民。IR誘致でどんなリスクを負うのか、市は情報提示をし、議論して市民が判断すべきだ。
 

青葉区版のコラム最新6

悠先生のちょっと気になる目のはなし

「流涙(涙目)について」 コラム【40】

悠先生のちょっと気になる目のはなし

11月14日

おばあちゃん先生の子育てコラム

おばあちゃん先生の子育てコラム

第49回 「小さい秋みいつけた」

10月31日

ノーベル平和賞受賞 日本被団協事務局次長・和田征子さん「被爆者の言葉が核抑止に」

教えて!職人さん

教えて!職人さん

vol.16 外壁塗装の素朴な疑問に答えます!【5】

10月24日

「教師が教えない授業」???

コラム「学校と社会をつなぎ直す」㉟

「教師が教えない授業」???

桐蔭学園理事長 溝上慎一

10月24日

目のお悩みQ&A

コラム(51)専門医が分かりやすく解説

目のお悩みQ&A

『アドオンレンズとはどんな治療でしょうか?』

10月24日

あっとほーむデスク

  • 10月3日0:00更新

  • 9月5日0:00更新

  • 7月4日0:00更新

青葉区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

コラム一覧へ

  • 悠先生のちょっと気になる目のはなし

    「流涙(涙目)について」 コラム【40】

    悠先生のちょっと気になる目のはなし

    11月14日

青葉区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年11月21日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook