横浜市内の認知症に関する医療提供体制の中核を担う「認知症疾患医療センター」に、新たに横浜総合病院(平元周院長)=鉄町=が選ばれた。専用相談窓口の設置のほか、かかりつけ医や保健医療・介護機関との連携強化など、認知症の支援体制の充実が期待される。開設は12月1日。
認知症疾患医療センターは認知症の早期診断や治療、支援のネットワーク構築を目的に設置するもの。地域の保健医療・介護機関等と連携しながら、認知症疾患の鑑別診断や周辺症状・身体合併症への急性期対応、専門医療相談、医療・介護・福祉関係者、市民への研修などを行う。これまで港北区や鶴見区など市内4カ所に設置されていたが、初診予約から診断まで1〜2カ月掛かるなど課題があった。
そこで、市は今回新たに4カ所のセンター設置を決め、横浜総合病院が青葉区と緑区を中心に担当することになった。
これまでも「物忘れ外来」や、市の委託を受けて「認知症初期集中支援チーム」を設置するなど、認知症の早期発見、治療に力を入れてきた同院。センター長に就任する神経内科医の長田乾氏は「団塊の世代が後期高齢者になる2025年に向け、横浜市内でも認知症になる高齢者は今後さらに増加する。早期発見、治療のためにもセンターの拡充は必須だった」と話す。
同院にセンターが設置されることにより、認知症について相談できる専用ダイヤルが設けられる(【電話】045・903・7106/平日午前9時から午後5時まで※開設は12月1日)。本人や家族、関係機関からの相談に専門知識を持った精神保健福祉士などが応じ、医療相談のほか、状況に応じて適切な医療機関などを紹介してくれる。また、同院での診察は基本的に予約なしで受けられる(診察時間終了間際など受けられない場合もあるので予約推奨)。
「お先真っ暗じゃない」
「コロナ禍で外出できない、人に会えないなど、認知症の予防にとって難しい期間が続いている」と危惧する長田氏。同院では、高齢者が多く住む近隣の団地と協力して勉強会を企画するなど、更なる予防に力を入れていく。「今では研究も進み、『認知症になったらお先真っ暗』という時代ではない。センターが設置されることで、地域の関係機関の連携を深め、更なる予防や早期発見、治療に尽力していきたい」
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