学校生活に悩む児童生徒の居場所として開校したボランティアスクール「横浜みどりの学校ひまわり」(しらとり台/渡辺正彦校長)が、6月4日に開校10周年を迎えた。16日には在校生や卒業生らが集まって祝賀会が開かれ、渡辺校長は「今後も理念は変わらず、本校を必要とする子どもたちと保護者に最適な支援を続けていきたい」と語った。
同校は主に小学生から高校生程度まで、発達障害や不登校なども含め、通学を困難に感じている子どもが対象。月曜から土曜の午前10時30分から午後3時まで開校している。校舎のほかに農地があり、農業や自然体験を軸に社会性や人間性を育み、地域社会に貢献できる子どもの育成を目標としている。他にも、子どもの希望に合わせて主要5科目の学習サポートを行ったり、社会性を育むためにギター演奏やテレビゲームを教材に取り入れたりすることもある。同校の活動は在籍する学校の判断にもよるが、出席扱いと認められるケースが多く、現在は市内外から約50人が通っている。
渡辺校長は、近隣のさつきが丘小学校の元校長。小学校での勤務時代に学校生活に悩む子どもの存在を知り、退職後、地元の支援を受けて開校を決意したという。以来、現代教育の仕組みの中で悩む子どもとその保護者の支援に特化している。
個の得意生かした教育
公立学校では指導しにくい分野をフォローするため「何でも総合的にできるゼネラリストではなく、個々の個性や得意分野を生かしたスペシャリストの育成」という観点で指導。ボランティアの中には公認心理師や児童相談所の職員もおり、専門知識を生かして子どもたちと接しているという。保護者の経済的な負担を減らそうと、週に何日でも登校できるフルタイム会員は1カ月3千円、週1回の場合は1カ月1千円と会費を抑え、運営資金は地元行事への出店などでまかなう。
最後の受け皿として
開校10周年を記念した祝賀会には在校生やOBOG、保護者、ボランティアなど約30人が参加。農地を提供し、同校の理事長も務める地元、青葉台南商店会の下山和正会長は「畑の中の小さなコンテナから始まったひまわりも、多くの方々のご支援で10年を迎えることが出来ました」と挨拶。10年の間に関わった子どもたちは約400人。渡辺校長は「学校や塾でうまくいかない子どもたちの最後の受け皿として、原則としてすべて受け入れてきた」と話し、「今後20年、30年と続けていけるよう若い世代にも(活動を)つなげていきたい」と語った。
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