保護犬支援団体(一社)ケンの家の代表を務める 浅川 晶枝さん 奈良町在住 59歳
保護した命を見守り続け
○…奈良町で老犬や障害犬の保護、里親探しを行う「ケンの家」の代表を務める。「元気な犬ばかりではないため、寝ずに看病する日々。助けてあげられず、やめようと思ったことは何度もある」。それでも新しい犬との出会いや良い里親に巡り合えた時の喜びを支えに活動を続けてきた。
○…33年前、田んぼ道でやせ細った小型犬を見つけて思わず保護した。当時の職場に預かってもらったが、ある日同僚が逃がしてしまい、毎週保健所に探しに行ったという。その後、その犬は死んでしまったと知るが、保健所に収容されている犬を見て「どうにか救うことはできないか」との思いを強く持つように。特に老犬は引き取り先がなく、処分を待つだけ。「まずは1匹」と自宅に引き取り妹と保護を開始。以来、最初に救えなかった犬に名付けた「ケン」を団体名とし、活動は20年を迎えた。
○…8年前から青葉区に。すでに息子は独立し、今は夫と二人暮らし。犬の食事や散歩、治療で自宅近辺を離れられる時間はほとんどなく、ましてや旅行など遠出もできない。そんな日々の唯一の息抜きは「夕飯の買い出しに少し場所を変えることくらい」と笑う。「息子の結婚式すら行けないかもと言った時は家族からブーイングもされたが、それでも温かく見守ってきてくれたから今日までやってこれた」と感謝を語る。
○…全国から保護犬を引き取り、現在約25匹を飼育中。ボランティアや寄付の助けがありつつもそれだけでは賄えず、自腹の負担も大きい。それでも老犬を中心に保護し、今後も最後まで看取るつもりだ。「ただ保護するだけではなく、捨てられ、処分されていることをもっと広く知ってほしい」と日々、現状に向き合い命を救う。
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