プロ野球のドラフト会議が10月20日に都内で行われ、日本体育大学=鴨志田町=の矢澤宏太選手(22)が日本ハムから1位の指名を受けた。区内からは國學院大学=新石川=の田中千晴(ちはる)選手(22)が巨人から3位、桐蔭横浜大学=鉄町=の吉田賢吾選手(21)がソフトバンクから6位で指名された。また、桐蔭学園高校の相澤白虎(はくと)選手(18)も巨人から育成で指名。4人が新たな夢のスタート地点に立った。
悔しさをバネに
ドラフト会議当日の日体大健志台キャンパス。学生ホールには野球部員、矢澤選手の家族、報道陣ら200人以上が詰めかけ、歓喜の瞬間を待った。
俊足強打の外野手と、最速152Kmを誇る投手の「二刀流」として、注目を集めた矢澤選手。今年は、ドラフトの前に日本ハムが1位指名を公言。第1巡で公言通りに名前が読み上げられると、緊張した面持ちがようやく緩んだ。
6歳の頃に町田リトルで野球をはじめ、高校は数多の強豪校の誘いの中から、藤沢市の藤嶺学園藤沢を選んだ。
高校時代も投手、野手の「二刀流」で活躍。3年時に南神奈川大会でベスト8入りを果たし、プロ志望届を提出するも指名漏れの悔しさを味わった。その翌日に、直接足を運んでくれた古城隆利監督に導かれ、日体大へ進学。「4年後にドラフト1位に」、それが家族での合言葉になった。
しかし、失意のドラフト会議からわずか49日。父・明夫さんが59歳という若さで帰らぬ人となった。4年後に家族の夢を実現した矢澤選手は「父がこの場にいないのは残念だが、喜んでくれていると思う。これからも活躍を見守っていてほしい」と力強く話した。
田中千晴選手
巨人から3位で指名されたのが右ひじの故障を乗り越え今春、自己最速153Kmをマークした田中千晴投手。
浪速高校から國學院大に進学。夏に毎日3時間の投げ込みを続け、秋には主戦投手に成長した。
指名の瞬間、部員が歓喜に湧き一斉に立ち上がる中で一人顔を覆った。「ホッとした。次に、周りの人へ感謝の気持ちがあふれ出た」とにこやか。身長190cmから投げるストレートとフォークを強みに、プロでも「自分のボールを投げ切りたい」と決意する。
吉田賢吾選手
ソフトバンクに6位で指名されたのは強打が売りの吉田賢吾捕手。横浜商大高校から桐蔭横浜大に進み、硬式野球部でも主将としてチームをけん引。指名を受け「ほっとした」と話す一方、指名順位は関係ないことを証明したいと意気込む。
スター選手が揃うソフトバンクの中で「自分の持ち味はバッティング」ときっぱり。3割30本100打点を目標に挙げる一方、守備面に課題があると話す。練習に取り組み「打てて守れるキャッチャー」への成長を誓う。
相澤白虎選手
巨人から育成5位で指名された桐蔭学園高校の相澤白虎内野手。指名されるまで緊張感があったと話すが、巨人からの指名に「すごくうれしかった」と笑顔を見せた。
「打撃、守備、走塁すべてを磨いてきた」と話すが、「まだまだ通用しない」。硬式野球部の片桐健一監督が「どれだけ練習をしても壊れない」と太鼓判を押す体の強さを武器に、練習を重ねて支配下登録を目指す。目標は1試合でも多くフル出場することと、「20年間活躍できる選手」だ。
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