大学サッカーの日本一を決める「第71回全日本大学サッカー選手権大会」の決勝戦が元日に国立競技場で行われ、鉄町にキャンパスを持つ桐蔭横浜大学が新潟医療福祉大学を3-2で破り、初優勝を果たした。
どちらが勝っても初優勝となる決勝戦。先制したのは新潟医療福祉大学。前半23分、田中翔太選手が胸トラップから左足ボレーをゴールに突き刺した。追う桐蔭横浜大学もわずか3分後、ゴール前の混戦から寺沼星文選手が押し込みすぐ同点に追いつく。しかし31分に新潟医療福祉大学の二階堂正哉選手がボレーシュートを蹴り込み、1点のリードを許したまま前半を終える。
迎えた後半、攻め手を欠いていた桐蔭横浜大学だが、72分に笠井佳祐選手を投入するとこれが当たる。交代からわずか4分後、右サイドからのクロスを水野颯太選手が落とすと笠井選手が蹴り込み同点に追いついた。そのまま試合は進み、延長戦も見え始めたアディショナルタイム3分、敵陣左で絶妙なスルーパスを受けた山田新選手がドリブル突破。相手DF3人に囲まれながらも右足を振り抜き、劇的な勝ち越しゴールを奪った。これが決勝点となり、桐蔭横浜大学が3-2と逆転勝ち。初優勝を飾った。
周囲の支えに感謝
優勝インタビューの中で安武亨監督が名前を挙げたのが、昨年4月に病気でこの世を去った増尾健(たけし)さんだ。増尾さんは中学2年生の時に骨肉腫を発症。プレーヤーとしてピッチに立つことはできなくなったが、大好きなサッカーに携わりたいと、桐蔭横浜大学では分析担当としてチームに帯同。病状が悪化し、余命宣告を受けながらもチームのために働き続けた。「その姿を見続けてきた選手たちにとって、『健のために日本一に』との思いは強かったはず」と安武監督は語る。実際に優勝が決まると選手は増尾さんのユニフォームを掲げ、一緒に喜びを分かち合った。
さらに監督が優勝の要因に挙げたのが、ベンチに入れなかった4年生の存在だ。「一番悔しい思いをしているはずなのに、『俺たちが日本一の応援をするから』とチームを鼓舞してくれた。今回の初優勝は、チームに関わる全員がそれぞれの役割を果たしてくれた結果」と胸を張った。
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