「パン工房 マ・フィーユ」(市ケ尾町545の10)の山岸隆弘さん(51)が、2月28日、3月1日に幕張メッセで行われる「第5回ベーカリー・ジャパンカップ」の決勝に出場する。
同大会は、2年に1度開催され、日本のパン職人による日本のパン屋ナンバーワンを決める唯一の競技大会。「国産小麦粉を100%使用したパン」を共通テーマに食パン、菓子パン、調理パンの3つの部門で、日本独自の製パン技術を競う。予選会でレシピ等の書類と現物審査を勝ち抜いた各部門のパン職人が、決勝に進出を決めた。
山岸さんは食パン部門(農林水産大臣賞対象)に出場。同部門は基本的な食パンと健康栄養を考慮した食パン、ドライフルーツを使用した食パンの3種類で技術を競う。決勝は予選と同様のレシピで、3種の食パンを各9斤以上、制限時間6時間で、1人で製造する。ディスプレイも審査の対象となる。
山岸さんは、店頭の食パンにも使用している北海道産小麦を100%使用し、挑戦する予定。決勝進出を受け、「本番までの残された時間は少ないが、試行錯誤しながら優勝を目指したい」と意気込んでいる。
健康意識の3種の食パン20年迎え、大会に初挑戦
今夏で創業20年を迎える「パン工房 マ・フィーユ」。NHKの子ども向け番組の元たいそうのおにいさんでもある山岸さんが、パンメゾンもあ等で7年の修行を経て、開業した。マ・フィーユは、青葉区の美味しいお店を認定する「青葉ブランド」認定店舗でもあるが、今回のように大会にエントリーしたのは初めて。山岸さんは「独立して20年目のタイミング、50歳も越えてチャレンジしてみよう」と初めての大会で決勝に進出した。予選の時期は昨年の年末で、「忙しく諦めようかとも迷ったが、挑戦して良かった。通過を知った時は驚き一瞬固まった」と喜びを振り返った。
決勝で披露する3種類の食パンはそれぞれこだわり、基本的な食パンは、甘さを控えて小麦の香りが引き立つ様に工夫。国産小麦特有のもちっとした食感が特徴だ。健康栄養を考慮した食パンは、バターを一切使わず、代わりにプルーンピューレを使う。そのため、ミネラルや食物繊維も含まれカロリーも控えめになっている。ドライフルーツ食パンは、クセの少ないデーツとアクセントにクルミ、試作をする中でスタッフのアドバイスを取り入れたオールスパイスを混ぜて作った。
店頭には80種類以上のパンが並ぶ同店だが「創業当時から極力具材も手作りしている。時間はかかるが健康で身体に優しいものを」と山岸さん。
店名はフランス語で私たちの娘たちの意味だといい、そんな山岸さんの2人娘も卒業生という荏田西小学校の創立30周年を記念して同校の児童が考案したパンの製造にも協力。15日から「えだっくんパン」として期間限定で販売している。
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