特別全国障害者スポーツ大会(燃ゆる感動かごしま大会)が10月28日(土)から30日(月)まで鹿児島県で開催され、横浜市代表として青葉区からは6選手が出場する。今回は取材に応じた3選手に意気込みを聞いた。
障害のある選手がスポーツの楽しさを体験するとともに、多くの人が障害に対する理解を深めることなどを目的にした同大会。
全国的な祭典として毎年行われていたが、2020年に予定されていた大会がコロナで延期に。今年、特別大会として行われる。
FD(フライングディスク)で初出場
大場町在住の大島智美さん(51)は、フライングディスクの2競技で初出場を果たす。
生まれつき聴覚障害の大島さん。同じ障害のある姉、葭岡(よしおか)栄美子(えみこ)さんからFDを勧められて競技を始めた。現在は週1、2日練習を続けている。得意種目は5m離れた内径91・5cmの輪に向かってディスクを10回連続で投げ、通過回数を競う「アキュラシー」。調子が良いと10枚全て通過することも。ディスクを投げ距離を競う「ディスタンス」では横浜市障害者スポーツ大会で33mの記録で優勝している。
「簡単そうに見えてなかなか上達しない」「風の神様もいる」と話し、だからこそ練習したくなるのが魅力と語る。全国大会には姉も相模原市の代表として出場予定で、姉妹での参加も楽しみ。「自己ベストを狙い、メダルを取れるようにがんばりたい」と語った。
陸上で初出場
桂台在住の北川知彦さん(55)は、陸上競技の50m走とジャベリックスローに初めて出場する。高校時代に陸上部に所属し、短距離と円盤投げの経験者だ。
2020年に大腸癌が再発し、人工肛門を造設したことで直腸機能障害に。障害者手帳の発行手続き中に障害者スポーツの存在を知ったという。2人の息子はともにアメリカンフットボールで日本一の経験があり、「自分も日本一になりたい。出るからには記録を残したい」と猛練習を続けてきた。しかし、21年に罹患した新型コロナが重症化し、その影響で歩くことが困難に。リハビリで走れるまでになったが、未だ右足に麻痺が残っているという。加えて癌も再再発し転移。化学療法を受けているところだ。それでも前向きに「今大会の自分の記録を、次の大会も出て破ることが目標。爪痕を残したい」。
水泳で5度目の出場
たちばな台在住の田仲正和さん(37)は水泳競技の25mと50mバタフライに出場する。今大会は14年ぶり5回目の出場。
乳児の時から風呂を嫌がり、水に慣れるためにベビースイミングに通っていたが、3歳児健診で自閉症の診断を受けた。以後も水泳は続け、競技歴は30年以上になる。
現在は宮前ドルフィンに所属し、「仲間と一緒に練習している時が楽しい」とチームで声を掛け合いながら練習に励んでいるという田仲さん。指導を受けているコーチも小学校1年生の頃からと長い付き合いだ。仕事の傍ら、練習は週4から5日。これまで出場してきた同大会では全てメダルを獲得してきた。
ここ数年は予選会で代表入りを逃してきたこともあり、久しぶりの出場に嬉しさと緊張した姿を見せつつも「メダル目指して頑張ります」と笑顔で意気込んでいる。
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