青葉区黒須田在住の見並良子さん(72)の作品が第73回全国書道コンクールの「毛筆の部・一般・かな」で最優秀大賞に選ばれた。作品は12月25日まで国立新美術館で開催中の「第52回全書芸展」で展示されている。
全部門合計で9286点の応募があった同コンクール。見並さんは摂関期の古筆「粘葉本(でっちょうぼん)和漢朗詠集」を臨書した作品3点を出品し、1点が受賞に至った。コンクールへの出品は3年目。昨年は特選賞を受賞したが、今年は最高賞となる最優秀大賞。見並さんは「びっくりしました。まさか、そんな賞を頂けるとは思っていなかった」と驚きつつ、「毎日基礎をこつこつ積み重ねたものが評価をされてうれしい」と笑顔をみせる。
書道は18年から
見並さんは2018年に國學院大學で開講されたオープンカレッジ(公開講座)で書道講座を受講。同大学で非常勤講師を務めていた杉浦華桂(かけい)さんの指導を受け、書道を始めた。書道の経験はほとんどなかったが、両親が50代で書道を始めたことを記憶しており、また、道具も残されていたことから「いつかやってみたい」と思っていたという。講座に2年間通った後、コロナ禍による1年間の中断を経て、現在に至るまで駿河台にある杉浦さんの書道教室に週に1度通っている。
作品は自宅で午前中に書いていると話す見並さん。半紙1枚の作品を書くのに要する時間は30分から40分ほど。途中で休憩をすると墨の色が変わってしまうため集中を途切れさせずに一気に書き上げるという。書いている最中は何も考えていないと話し、書道は心が落ち着くと魅力を語る。
指導を受けるため、毎週作品を持参してくる見並さんについて、杉浦さんは「真面目な作品ばかり。真正面から書道に取り組んでいる」と評価。今後について見並さんは「毎日書道を続けることが今の目標。コンクールや昇段などは、その結果としてつながれば」と話している。
作品が展示されている全書芸展は国立新美術館で12月25日(月)まで。午前10時から午後6時(最終日は2時閉展)。
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