すすき野団地で個・孤の時代の人生ケアシステム」の構築を目的とした実証プロジェクトの報告会が8月28日に行われた=写真。2023年10月から「個・孤の時代の人生ケア会議」、(一社)横浜イノベーション推進機構が取り組んでいた。
家族機能の弱体化によって課題となる孤独・孤立化。頼れる家族の有無に関わらず、安心して暮らし続けるにはどうするすべきか。この課題に、意思決定支援を専門に担う「アドボケーター」という職業の必要性や役割を確立すべくプロジェクトを進めた。
今回アドボケーターを務めた社会福祉士や看護師などが対象の高齢者11人に個別面談を実施。病気になった際に希望する治療法や入院、施設の入所、逝去時の葬儀会社との対応などの聞き取り、また、実際に支援を必要とする場面では駆け付けることもあったという。
極めて個人的な情報を共有するため信頼関係も不可欠。プロジェクトに参加した高齢者からは情報開示への不安感で辞退したケースも。これらを踏まえ、アドボケーターという資格制度や研修・認定制度などの必要性や情報管理などの課題点も報告会では上がった。
また、プロジェクト途中で参加者3人が逝去。アドボケーターによる情報の聞き取り途中で、死後事務委任契約の権限を受けるまで至らなかった事例も。老後の生活や死後のサポートを受けるためにアドボケーターと元気なうちから関係性を築いておく必要性や、アドボケーター自体の役割の必要性も再確認された。今後はモデル事業として推進していく予定だ。
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