鴨居原市民の森愛護会 里山再生に尽くし10年 創設メンバーに活動聞く
区内鴨居町にある「鴨居原市民の森」で粗大ごみの処理や清掃などをはじめとする森再生活動を行ってきた愛護会がこの秋、活動開始から10周年を迎えた。これまでの取り組みと今後についてメンバーらが語った。
「鴨居原市民の森愛護会」(阿部昭雄会長/樹医博士)の前身となる活動は、2003年に始まった。
元鴨居第八地区自治会長の故・森元壽一さんが、当時鴨居第四地区自治会長だった狩野陽二さんに声をかけたのをきっかけに不法投棄などで荒れ果てた森を再生したいと住民らが立ち上がった。
「当時、森には数えきれないほどの廃棄タイヤや、タンス、冷蔵庫が不法投棄されていた。この2ヘクタールほどの傾斜地を市民の手できれいにしたいという強い思いのもと活動を始めた」。創設当時の会長でもある狩野陽二さんは振り返る。
「素人でもやればできる」
森や里山再生の知識を持たない市民が始めた活動には困難もあった。「皆、森に関しては素人同然。何から手をつけていいかわからず、22人が自宅からノコギリやカマを持ち寄って、見よう見まねで作業した。素人でもできることがあると信じて」
メンバーらは慣れない手で少しずつ森を整備。2つの広場と、25メートルの高低差をつなぐ階段を作り上げた。また、大量に投棄されていた粗大ごみを毎年少しずつ処理し、10年がかりで一掃した。これには、地元企業がクレーン車を貸し出すなど、活動は地域に広まっていった。
こうした取り組みが認められ、2005年には市が、市内26番目の「市民の森」として開園。住民発の「市民の森」として話題になった。
活動を振り返り、現会長の阿部さんは話す。「これまで片づけたタイヤは3千本を超える。様々な人の協力で森が整備できたことはとても嬉しいこと」
メンバーらは10年という節目を迎え、この森を次世代に繋いでいくことを考えているという。「20年後にこの森という財産を残したい」。平均年齢が75歳を超えようというメンバーは口をそろえる。今後は新しい種を植えるなどして未来の森づくりに取り組む方針だ。
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