長津田地区センターで8月8日、歴史講演会「文字がつなぐ古代の日本列島と朝鮮半島」が開催された。
長津田にある宮之前遺跡から墨書土器という文字が書かれた土器が出土したこともあり、「文字の日本への伝播」を知ろうと企画された同講演会。講師には、木簡研究の第一人者として世界を飛び回る李成市氏(早稲田大学文学学術院教授)を招いた。
当日は地域の歴史愛好家など多くの人が集まり、会場を埋め尽くした。
李教授は日本と朝鮮半島で出土した「木簡」の研究を通じて分かってきた日本への文字の伝播について詳しく解説。これまで朝鮮半島では木簡がほとんど出土しておらず、その研究も進んでいなかったが、ここ15年で歴史的に重要な木簡が次々に発掘されたことや、それらの解析・研究によってこれまでの学説や通説が覆されていることなどについて説明すると、参加者らは熱心に耳を傾けた。
李教授は「これまで中国の木簡と日本の木簡には影響関係がないとされてきた。しかし、中国の影響を受けた朝鮮半島の木簡が出土したことにより、ここを経由して日本へ伝来したことが明らかになった」と説明。これまで日本の国字(日本で生まれた漢字)とされてきた『畠』や『椋』といった文字が韓国の木簡に記されていることは興味深いと話した。
李教授は「文字は律令体制を維持する上でもとても重要な存在。韓国の木簡研究は、古代日本の律令国家体制に対する考え方にも根本的な変更を迫るものだ」という見解を示し、会場は大きな拍手に包まれた。
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