家庭から排出されるごみについて、横浜市が指定ごみ袋制度の検討を開始する。分別の効率化や植物由来素材などを使った環境負荷の少ない指定袋を導入することによる温暖化対策がねらいだ。
市では現在、ごみを出す場合、中身がはっきりと確認できる透明か半透明の袋に入れてごみを排出するルールで、スーパーマーケットなどのレジ袋でも排出することが可能だ。
ただ、7月から全国の小売店でレジ袋の有料化が義務づけられるほか、昨今、海洋プラスチック問題が大きく報じられるなど、環境問題に対する社会機運も高まっている現状もある。また、市内の外国人人口が増え分別ルールの多言語表記が求められるといった社会的な背景もあり、資源循環局政策調整部は「指定ごみ袋について検討を進めるにはいいタイミング」と話す。
林文子市長は市議会12月定例会の中で「指定袋の導入は効率的な分別を促すことに加え、バイオマスプラスチックの使用により、温暖化対策にも有効」と答弁した。
時間かけ判断
同部によると、今後は制度導入によるメリットや課題点の把握に努めるほか、植物由来の原料を配合したバイオマスプラスチック素材など、環境負荷の少ない商品に関する調査も進める方針で、「市民サービス向上という観点から前向きに検討を進めるが、導入の是非も含めしっかりと見極めたい」としている。
また、指定袋制度を導入する場合は「市民の理解と相当な周知期間が必要。メーカーや販売店との調整も必要となる」とし、性急な制度導入には否定的な姿勢を示している。
有料化導入は
指定袋制度は全国20の政令市中13市で導入している。このうち札幌市や京都市など9つの市が袋の代金にごみの回収・処理費用を上乗せした有料化制度を導入しているが、同部は「市民負担とならないことを前提としつつ、有料化の可能性についても調査・研究を進めていく」とした。
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