日本奇術協会賞を受賞した 松山 光伸さん 長津田町在住 72歳
尽きぬ探求心持つ発信者
○…日本のマジックの歴史などを研究し海外の専門誌などに10年以上にわたり英語で寄稿してきた。マジックのアカデミー賞と言われる賞を海外で受賞した経験も。今回も、そのような長年の発信がマジック界の発展に大きく寄与したと認められた形だ。「これからも積極的に発信し続けたい」と意欲は尽きない。
○…小学校の時、本を通じて、マジックに興味を持ち、デパートの手品売り場に足しげく通った子ども時代。テレビで見た石田天海氏の演技に衝撃を受けた。「トランプが空中から出現したり、消えたり。心が揺さぶられたね」と興奮した様子で語った。まさに、心に感動が伝わってくる演技だったという。中学よりマジックを習い、高校では、マジッククラブを立ち上げた。大学の学園祭や学外発表会でも演技を披露し腕を磨いた。
○…卒業後は日産自動車に勤務。設計開発、商品企画など約30年にわたり従事してきた。社会人になると、披露する場はなく、マジックを演技することからは離れた。入門者向けのマジック解説など”書く”ことに専念していった。その後、マジックの歴史を調べ、発信することにのめり込み、「実証・日本の手品史」などの著作を持つほどだ。「調べれば、調べるほど、日本や世界の新たな歴史が発見できる。こんなに面白いことはない」と笑った。
○…英語は大嫌いだったが、洋書のマジック本を読むことや、海外へ発信し続けるうちに上達。「読み書きは良いけど、話すのはだめだね」と謙遜する。長年、マジックのことを発信する専門だったが、「そろそろ、4人の孫に演技を見せたいから、久しぶりに自分でもやろうかな」とほほ笑んだ。マジックへの情熱は孫にも受け継がれていきそうだ。
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