横浜市は、希望する認可保育所などに入れなかった保留児童の解消に向け、関係職員を集めたデータ分析チームを発足した。市が保留児童対策に取り組むのは初めて。今年度の申請情報をサンプルとして解析し、来春以降、ニーズを踏まえた対策につなげる。
市の今年4月1日現在の保留児童数は2842人。対策を講じてきた待機児童数は16人で、3年連続減少している一方、保留児は2016年に3千人を超えて以降、ほぼ横ばいの状況だ。
市は現状を受け、対策を施してこなかった保留児童解消へ向け、こども青少年局や現場の区職員計10人から成るプロジェクトチームを結成。「保留児童対策タスクフォース」と名付け、12月8日から活動を開始した。
要因見極めへ
チームは、保留児童の発生要因をデータ化した情報から分析し、必要な対策を検討する。市は、これまで特定の園のみを希望する理由など、生活環境を踏まえた分析はしていなかったとし、「一歩踏み込み詳細のニーズを把握したい」とする。
分析のための情報は、入所利用の際に提出される申請書から抽出。一部はデータ化しているが、最寄り駅までの時間や移動手段など、紙ベースでしか残っていない情報もあるとし、一元的にデータ化することで発生要因などを見極める。
今年度は、保留児のうち実際には保育を必要としていない育休延長目的を除く1718人分からサンプルをしぼり、利用決定者と保留児の比較、分析に必要なデータ項目の精査などを行う。
余計な施設作らず
一方、コロナ禍などを背景に、今年4月時点で認可保育所などの半数以上で「定員割れ」が発生している状況もあり、人口減、少子化の流れから無駄のないサービスの提供が求められる。
これについて市は、「既存施設と保留児童のギャップを分析し、余計な施設は作らないようにしたい」とコメント。これまで進めてきた新設園整備を鈍化させる考えを示し、状況によっては既存園の定員枠増など柔軟に対応するとしている。
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