にいはる里山交流センターで、手作りしたわら細工の展示を行っている 佐藤 高志さん 麻生区在住 48歳
自然と一緒に、これからも
○…自身が手作りしたわら細工の展示を2016年から毎年行う。30代後半から「手仕事がしたい」と技術を地道に身に付けた。だが、それだけではない。農家や高齢者など、実際にわら細工を使っていた人たちに話を聞いてきた。見えてきたのは、当時の生活の様子だった。展示テーマは”わら細工を通して時代を見る”。「今の生活では、見ることがなくなってしまった。だからこそ、時代を映す」と思いは強い。「多くの人に展示を見てもらえたら」と純朴な笑顔を見せる。
○…北海道函館市生まれ。就職を機に上京した。30代前半にはまっていたのは時代小説。「主人公は武士が多いけど、自分はなぜか当時の農民の暮らしに興味が沸いた」。そんな時、偶然目にした新治谷戸田を守る会のメンバー募集案内。08年に同会に飛び込み、昔ながらの米作りにいそしんできたという。
○…会の活動を通してわらが身近だったこともあるが、様々な仕事を経験する中で、自身の手で何かを生み出したいという気持ちが沸いたのは30代後半だった。「編み方は様々。当時の人たちが『どうしたら生活が便利になるか』と考えた知恵や工夫が詰まっている」と語る。わら細工から垣間見える世界は、想像以上に幅広いようだ。
○…「わらを調達するために」と始めた区内の地元農家の手伝い。田んぼには、自分の子どもと一緒に出掛けているそう。「生き物など、たくさんの自然に触れる絶好の機会。物の見方が豊かになってほしい」と願い、愛情を注いでいる。最近では、子どもの通う保育園で米作り講座も開催。「想像以上に多くのことを感じてくれるのがうれしくて」と微笑む。自然と一緒に歩んでいく。そんな姿勢を次世代にもつないでいく。
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