長引くコロナ禍を背景に、不登校は年々増加傾向にある。2020年度、市立小・中児童生徒のコロナ感染回避を理由にした長期欠席は885人に上った。また、不登校児等を受け入れる市内NPO法人への相談も前年比で倍増。学校生活に不安を抱えて孤立する子どもたちへの対策が一層求められている。
新型コロナ感染の第6波を受け、1月には最大9つの市内小中学校が休校した。現在横浜市では校内で感染者が出た場合は「基本学級閉鎖」を取っており、児童生徒が通常の学校生活を送りづらい状況が続いている。
こうしたなか懸念されるのが、長期休校による不登校の増加だ。国が行った2020年度調査によると、市内で30日以上欠席した長期欠席者は7835人で、前年比で1049人増加。そのうち本人や家庭、学校にかかわる状況を要因とする不登校は微減したものの、感染回避を理由とした欠席者が全体の数字を押し上げた形だ。市担当者は「16年度に国から不登校は再登校のみを目指すのではなく、社会的自立を目指す方向性が打ち出された。それ以後、増加傾向にある」とする。コロナに関しては「分散登校で通いやすくなった子がいる一方、生活リズムが乱れて不安を抱える子もいる」と話す。
つながれる状況確保を
市内のNPO法人「子どもと共に歩むフリースペースたんぽぽ」では、21年上半期の相談数が276件で、前年130件から倍増。青島美千代理事長は「コロナの影響は大きく、関連の相談も増えた。人と会えないことで子どもの孤立が加速している」と話し、とくに小学校低学年の数が増えた印象があるという。「子どもが学校へ行けなくなったりして傷ついたときはゆっくり休むことが第一。安心して誰かとつながれる状況をつくることが必要」
横浜市では不登校への支援策として校内に居場所や学習の場を設け、一人ひとり状況に沿った学習支援等を行う事業を展開。来年度予算も拡充する方針だ。市担当者は「いかに学びを保障するかが大切。オンライン学習教材を活用した学習支援などきめ細かな対応をしていきたい」と語る。
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