区単位の老人クラブの設置が市内で進んでいる。4月に西区で第1号が発足するなど、現在6区で整備や検討が行われている。(公財)横浜市老人クラブ連合会(市老連)は「元気な高齢者の活動の受け皿になれば」と期待する。
老人クラブは「生活を豊かにする楽しい活動」「地域を豊かにする社会活動」を柱として、主に自治会・町内会の範囲で設けられている。旅行やスポーツなどのレクリエーションや公園清掃など各クラブで様々な活動を行う。おおむね60歳以上を対象とし、2022年4月1日現在、市内に1449クラブがある。
各区には区内の老人クラブを束ねる事務局的な機能を持った組織として「区老人クラブ連合会」がある。ただ、これまでは区を単位として主体の活動を行う老人クラブはなかった。
止まらない会員減少
近年、会員減少が大きな課題となっている。20年は10万3573人だったのが21年は9万7531人、22年は9万1573人と、1年毎に約6千人の減少がみられる。
その主な要因に、活動費が町内会単位でまかなわれている点がある。
人数が集まらず解散したクラブの会員が、隣の町内会のクラブに加入しようとしても、会費負担をしていないため受け入れ側が難色を示すケースがあり、入会しにくいのが現状だ。
そこで市老連は、会員減少を防ぐため老人クラブ未設置地域の加入希望者の受け皿として、区単位、または連合町内会単位のクラブ設置を検討してきた。各区の老人クラブ連合会(区老連)と協議を重ね、9月現在、6区が設置に向け動き出している。
西区は4月に区を単位としたクラブ「希望の会」を発足。保土ケ谷区では、解散したクラブの自主財源を区老連が引き継ぎ、区単位のクラブに活用する予定だ。青葉区では、自治会から補助を受けていない既存のクラブが、区全域から入会を受け入れる方向で検討している。
西区の連合会の梅山胖(ゆたか)会長(86)は「高齢者になると新しい友人は作りづらい」と話し、区単位のクラブが「地域を越えた仲間づくりにつながれば」と期待する。
一方、470世帯からなる中区の町内会の会長(81)は「高齢者の地域活動は町内会で十分補完できている」と話し、老人クラブ設置の必要性を疑問視する声もあった。
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