意見広告・議会報告
仮想空間で想定する防災 歴史×教訓×新たな技術で大切な人の命を守る 市政報告52
本年は関東大震災より100年の節目です。犠牲者の約9割が焼死であり、その後住宅や街の防火対策や消防力が強化されました。阪神淡路大震災の犠牲者の約7割が建物の倒壊等による窒息・圧死であり、その後建物耐震化や家具の転倒防止措置等が進みました。東日本大震災の犠牲者の約9割が溺死であり、その後津波からの適切な避難行動が周知されました。現在の災害対策は過去の大災害における数知れぬ犠牲者の無念と残された人の悲しみの上に築かれていることを強く感じます。しかし、現代においては、発生してから、犠牲者が出てから学ぶのではなく、AI等を活用し、予測し、先回りする防災減災の取組を推進していくべきです。
仮想空間上に現実の都市をそっくり再現する「デジタルツイン(双子)」を構築し、その3Dモデルの都市に様々な想定で災害を発生させ、被害の様子や市民の避難行動のデータを取得する取組が必要です。既に神戸市では「富岳」と連携しデジタルツインの実証実験を行っています。また横浜でも花火大会の人流データを取得し混雑緩和策や感染症対策等に役立てる分析と検証の取組がありました。私はこれまでも議会でデジタルツインや人流データの活用を主張しておりますが、特に富士山大規模噴火に伴う火山灰の降灰被害と対策を仮想空間上で想定していくべきと考えます。横浜でも最大16cmの堆積予測が示されており、まずは市民の皆さまに降灰がいかに都市機能を麻痺させるか、復旧のためのリソースが足りないか、火山灰対策を自分事としていただくためにも正確で分かりやすい予測モデルが必要です。
歴史と教訓に学び、新技術も活用し、後悔ゼロの防災を進めます。
次回は、火山防災トップシティを目指す鹿児島市視察報告について寄稿します。
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