横浜市がふるさと納税による地域経済の発展を目指し、まちの特色を生かした返礼品を増やしている。市によると、昨年度の寄付受入額が4億500万円だったことに対し、個人市民税の流出額は222億円。その差を縮めるため、返礼品を紹介する仲介サイトを拡充する取組などを進めている。
25年度 受入額20億円に設定
ふるさと納税は、居住地以外の自治体に寄付すると、住民税の控除などが受けられ、納税した自治体から返礼品が届く仕組み。
納税義務者数が多い大都市では流出額の増加が課題で、市の昨年度の流出額は222億円で全国で最も多かった。流出額の約75%が地方交付税で補填されるものの、市にとっては痛手だ。市は「返礼品競争に参加するつもりはないが、横浜らしい返礼品を拡充し、2025年度の目標寄付受入額20億円に少しでも近づけたい」と意気込む。
市は施策を練る時間を増やそうと、返礼品の発注などの事務作業を今年度から株式会社JTBに委託し、職員の事務的負担を減らした。また、市内に拠点を置く事業者がオンラインで返礼品を申請できる公募システムを新設。申請の利便性が高まったこともあってか、昨年度340品だった返礼品が9月1日時点で409品に増えた。
9月から10月にかけて、返礼品を閲覧できる仲介サイトの数を従来の2つから7つに拡充。寄付の機運を高める。
都市の特色生かす
昨年度の寄付受入額が24億500万円と、県内で最も多かった鎌倉市などに魅力的な返礼品やPR方法を聞き取りした結果、ホテル宿泊券など、観光都市の特色を生かした返礼品が人気だと分かった。
横浜市は「観光都市・横浜」を感じる返礼品を意識。菓子などの寄付額1万円代の品や、横浜港を一望できるホテル宿泊券などの寄付額100万円代の品が並ぶ。また新たな寄付の形として、消防艇の乗船体験などができる特典を10月から提供。返礼品とは異なり、市内在住者も対象になる。市は「ふるさと納税を契機に横浜を好きになってほしい」と呼びかける。
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