「文化部のインターハイ」とも呼ばれる第48回高等学校総合文化祭(以下「総文」)に、白山高校から菊地遥希(はるき)さん(1年)、島原歩空(ふあ)さん(2年)、後田(うしろだ)巧樹(こうき)さん(同)の3人が出場することがこのほど決定した。総文は7月31日から8月5日にかけて岐阜県で展示や交流会などが行われる。
菊地さんと島原さんは第70回神奈川県高等学校美術展に作品を出展。約870点の作品の中から菊地さんが教育長賞、島原さんが高文連会長賞に選ばれ、それぞれ総文へ進むこととなった。
「遠近感出したかった」
菊地さんが出展したのは陶芸作品。「さなぎ」と名付けたその作品は、大きな壺のような形状をしている。「カーブのある作品を作るのが好き」と話す菊地さんは、同校の美術科や美術部の生徒らが年に2回、同校敷地内にある穴窯で行う焼成で1度失敗をしたという。原因は練り不足と厚さ不足。窯から取り出した作品はあえなく崩れてしまっていたという。その後、もう一度作品を仕上げ、電気釜で焼き上げたものを出展した。焼き上がり時の色を決める釉薬は周囲と相談しながら赤などを選んだという。
作品のポイントについて菊地さんは「遠近感を出したくて上部に2種類の穴を開けた。最上部は流れる感じに広がっているので楕円形の穴を選択した」と話し、「総文が決まったと知った時は驚いた。多くの人に作品を見てもらえたらうれしい」と話した。
新しいステージへ
島原さんはアクリル画を県美術展に出店。「いつか私も」と題した作品には、中国の伝説上の四神の1つである青龍をデザインした。その理由について島原さんは「前年ポスターで出店してあと一歩のところで総文出場を逃して悔しかった。勝利に向かって、新しいステージに向かうという思いを込めた」と語った。青龍に向かって両手を広げる自身が立つ建物は夢の中のあいまいな空間を表現しているという。また、青龍の鱗や周囲にデザインした鯉をモデリングペーストと呼ばれるパテ状の下地材で立体感を出す工夫を施した。「まさか自分が選ばれるとはとびっくりしたけれどうれしい」と島原さん。
篆(てん)書の創作に挑戦
書道部の後田さんは第60回県高校書道展で高文連会長賞を受賞し総文出場を決めた。前年は、手本を見ながら書く臨書の作品で同賞を受賞しながらもあと一歩のところで総文出場を逃したという後田さん。今回は「張協『雑詩』」を最も古い書体とされる篆書を創作することに挑戦。約7カ月をかけて出展作品を仕上げた。篆書を選んだ理由について後田さんは「一文字一文字の個性を出したいと思った。自分なりに表現したいという気持ちが強かった」と話す。県では約1000点の中から総文出展作品に選定された。
書道部の宮地広顧問は「根気強く諦めないところが彼の良い点」と評価する。後田さんは「総文出場が決まりうれしい。墨の集まっている所や余白、かすれなどで迫力のある書を表現して、できる限り上位に入れるように頑張りたい」と話し、現在は総文出展用の作品作りに没頭している。
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