横浜市は将来の図書館像を示す「図書館ビジョン」を3月27日に公表した。この中で図書館を子どもたちのための場所や地域との交流の場にすること、まちづくりの役割を果たすことなどを基本方針に掲げた。
社会環境の変化に対応しながら、新しい時代の図書館のあるべき姿を示そうと、市は2022年からビジョン策定へ向けた調査を開始。アンケートやワークショップで市民の声を聞きながらビジョンを確定させた。
基本方針と取組の方向性の筆頭に「未来を担う子どもたちのための図書館」を掲げ、市が注力する子育て支援に沿う形となった。「子どもを連れて何度でも行きたくなる環境・施設を整える」とし、館内で体験イベントを行ったり、子どものためのスペースを作るなどの例を挙げた。方針は「あらゆる市民のための図書館」、「まちとコミュニティのための図書館」と続く。施設のバリアフリー化や市民、団体、企業などとの連携イベントをイメージし、「まちづくりのプラットフォーム」としての役割も明確にした。
「1区1館」変わらず
策定の過程で募った意見の中には、図書館数の増加を求める声が多かったが、市は「1区1館」の方針を崩していない。ビジョンでは、施設整備の考え方として、図書館機能の拡張やアクセスしやすい場所への移転などを挙げている。
キーマンと連携
策定を進めてきた市教育委員会事務局の担当者は「図書館を子どもたちがわくわくする場にしたい」と話す。すでに発表されている中央図書館=西区=のリニューアルでも親子フロアを整備するなど、家族での来館を意識した案が示されている。まちづくりの役割に関しては、「様々な人と情報をつなげるコーディネーターになれるようにしたい」とし、すでに活動している団体や施設のキーマンとの連携を強化していく意向だ。
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