人命救助のめどは、被災後72時間と言われている。災害発生後、命の瀬戸際で救助を待つ人たちを救うのは、迅速な救助活動。時間との戦いだ。
ただ震災後、火災発生の影響でその時間が奪われてしまうことがある。1923年9月1日に発生した関東大震災での死者・行方不明者数約10万5000人のうち、火災での死者数は約9割に上った。「燃えさえしなければ、より早い救助ができるようになる」と話すのは、緑消防署の寺山洋司署長。震災対策では「出火防止もとても大切」と語る。
「火災はいきなり大きくはならず、最初は小さな火種。だからこそ初期消火が大事」という。地域内には、消火栓に接続するホースが入っている初期消火箱や、スタンドパイプ式初期消火器具が設置されており「訓練を通じて、地域の皆さんで協力して活用できるようにしてほしい」と話している。
火災件数減も死者数は増
同署によると、今年元日から8月22日までの火災件数は、市全体で415件(昨年同期比68件減)、うち緑区内は12件(同7件減)。ただ、火災での死者数をみると、市全体では8人増の17人、緑区内では0人だった昨年に比べ、すでに3人が命を落としている。
寺山署長は「命を守ることを第一に考え、対策を普段の生活に取り入れてほしい」と呼び掛けている。
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