(公社)神奈川県防犯協会連合会と神奈川県自転車防犯協会が県下の小中学生を対象に募集していた「自転車盗難防止ポスター」の審査結果がこのほど発表され、緑小学校4年の古田蒼依(あおい)さんの作品が小学生の部で特別賞に輝いた。同部の応募総数は187作品。このうち古田さんは市内で唯一の入賞となった。
県内で後を絶たない自転車の盗難被害。緑警察署によると、同署管内での盗難認知件数は今年元日から8月末時点までに82件(前年同期比23件増)に上っている。
主催者は被害防止策の一つとして毎年啓発ポスターを募集。優れた作品を同連合会のウェブサイトで公開している。募集は今回で15回目で、入賞作品は実際にポスター化し、県内の駐輪場などに掲出するという。
遠くからでも伝わるように
同校4年生たちは今年、総合的な学習の時間の一環として同ポスターの原画制作に取り組んだ。6月に児童向けの交通安全教室で自転車の安全運転などについて学んだ4年生たち。同校によると、地域住民から子どもたちに自転車盗難防止ポスターの制作を勧める声が寄せられていたことが、今回の応募のきっかけになったという。
古田さんは今回、色鉛筆とマーカーで作品を制作。作中には大きな文字で「かぎ かけた? かぎしかあなたの大切なものを守ってくれないよ!」とのメッセージを添えた。「文字を大きくしたり、赤い色を使ったりして、遠くから見てもメッセージが伝わるように」工夫を凝らした。
「絵を描くのは苦手」と語る古田さん。特別賞受賞の知らせに「突然のことで、すごくびっくりした。選ばれると思っていなかったのでうれしかった」と振り返る。8月23日には県警察本部で表彰式が行われた。
同校の寺澤みゆき校長は「児童が一生懸命に取り組んだことが認められてうれしい。子どもたちが描く作品は、社会に広く訴える力がある。これからもさまざまなことにチャレンジする子を育てていきたい」と語った。
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