横浜市立鴨居小学校(角皆(つのがい)裕文校長)は今年、創立150周年を迎えた。長きにわたり地域の子どもたちの成長を支え続け、心の拠り所となってきた同校。今年度は、正門近くに記念樹「ヤマモモ」が植樹されたほか、地域の有志たちによる記念誌の製作など、さまざまな記念事業が行われている。11月2日(土)には記念式典や懇親会が予定されており、多くの人が共に鴨居小学校の150周年を盛大に祝う。
地域の有志や教職員らからなる横浜市立鴨居小学校創立150周年記念事業実行委員会(小原修実行委員長)によると、同校の発祥は江戸時代に遡る。1852(嘉永5)年に創設された「大川家塾」という私塾が、1872(明治5)年の「学制」発布後、「鴨居学舎」となり教育を続けた。これが、いまから150年前にあたる1874(明治7)年のこと。当時は児童数約100人だったという。
その後、幾度かの移転や校名変更を経て鴨居小学校となり、現在の場所に移ったのは1966年。創立100周年だった1974年当時の児童数は約1800人に上っていたという。現在は約500人の児童が日々学習に励んでいる。
記念事業に熱意込め
150周年の記念事業として、有志からなる記念誌委員会(服部真人委員長=人物風土記で紹介=)は36頁にわたる記念誌を編さん。同校の沿革のほか、学校行事・地域イベントに参加した子どもたちの写真の数々、各所からの祝福のメッセージも盛り込んだ。
また、今年6月には同校正門のそばに記念樹として「ヤマモモ」の植樹も実施。さらに実行委員たちは、のぼりや横断幕、Tシャツも製作し、地元の盆踊りなどさまざまなイベントで同校の創立150周年の周知に取り組んできた。
鴨居囃子の披露も
11月2日に開かれる記念式典では、子どもたちによるお祝いイベントなどが予定されている。式典後の懇親会では威勢の良い「鴨居囃子」の披露もある。天保年間(1831年〜1845年)の発祥と伝えられる鴨居囃子。継承する「鴨居郷土芸能保存会」は近年、横浜市無形民俗文化財 保護団体に認定されている。当日は、140周年記念式典で鴨居囃子を披露した当時の6年生らが出演するという。
小原実行委員長は「地域とのつながりがとても強い鴨居小の存在を記念事業を通じて再認識し、次世代(未来)にも伝えていきたい」とした。
「主体的に学び続ける子 育てたい」
「教師がただ知識を子どもに伝道する、という時代は終わったと言われています。これからは『自ら主体的に考え、学び続ける子』を育てていきたい」。そう語るのは、鴨居小学校に今年4月に着任した角皆裕文校長。創立150周年の節目を迎えた同校で、自身初となる校長職のスタートを切った。
同校で出会った児童たちの印象について「とても人懐っこく、子どもらしい子どもたち」と話す角皆校長。「駅近の割にはのどかで、自然が豊か」な地域に建つ鴨居小学校に着任して間もないころ、校庭の上をカモが飛んでいるのを見たという。「鴨居」という名称と重なり「『あっ、本当なんだ』と驚いた。私の中では象徴的な出来事でした」と笑顔で語る。
また、地域の人たちから温かく迎え入れられたことで「皆さんがこの学校をいかに大切にしてくださっているかを感じました」。これからも、地域と協力し、他校での良い取組も学んでいきながら、鴨居小学校の新たな歴史を刻み続けていく。
引き取り手を待つ50年前のタイムカプセル
鴨居小学校には現在も、1974(昭和49)年度の創立100周年の際に作成されたタイムカプセル=写真=が保管されている。
中には、当時の新聞や子どもたちの寄せ書きなどが収められている。同校は1974年度に在学していた人を探しており、「このタイプカプセルの作成に関わったと思われる人は副校長までご一報ください(【電話】045・931・2062)」と呼び掛けている。
引き取り手の無い作品などは、2025年3月31日をもって処分するという。
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