「地域で受け継がれてきたもの」を学ぶカリキュラムの一環として、中山自治会花籠保存会のメンバーが11月6日、中山小学校(高橋亨校長)を訪問。大人用の花籠を持参し、実演を含めた出張授業を行った。これまでも講話等は実施していたが、保存会のメンバーが参加したのは初めてだ。
中山小学校では4年生の社会の授業として、「地域で受け継がれてきたもの」について学んでいる。教科書では日本全国の祭りや年中行事がメインとなっているが、同小では住んでいる神奈川県や地元にどのような伝統行事があるかに重きを置いているそうだ。
その中でも地元の「中山まつり」で披露された花籠に興味を持った子どもたちが、「より深く学んでみたい」と提案。中山自治会副会長の古内敏子さんを招き、花籠について説明を聞く予定としていた。
今回はその話を古内さんから耳にした保存会のメンバー4人が、「子どもたちのためになるなら、本物の花籠を見せてあげたい」と手を挙げ、仕事を休んで駆けつけたという。
いつか自分も
当日は4年生約100人が体育館に集合。法被に身を包んだ保存会メンバーの姿と大人用の花籠の大きさに驚きの声を上げていた。
授業は事前に児童から受け付けた質問に対し、古内さんが答える形で進行。花籠が大正時代から約100年続いていることや、大人用の花籠は7・5kgで子ども用は3・5kgあることなどを伝えると児童らは熱心にノートを取っていた。
その後は保存会メンバーによる花籠の舞の実演。児童も実際に花籠に触れさせてもらい興奮した様子だった。参加した児童からは「大人用の重さに驚いた。あれを1人で持てるなんてすごい」「いつか自分も大人用を振ってみたい」といった声や、「自分からどんどんお祭りに参加していきたい」「伝統行事って大事なんだなと実感した」との声が上がっていた。
次代につなぐ
小学校で授業をすることは地域にとっても大きな意義がある。伝統行事の「後継者づくり」につながるからだ。保存会では子どもたちにも花籠に親しんでもらおうと、2000年に子ども用の花籠を製作。出張授業などで活用してきた。古内さんは「新治中部地区では『次世代につながるまちづくり』をテーマにしている。この子たちが将来伝統の担い手になってくれたらうれしい」と笑顔を見せた。高橋校長も「地域にこうした伝統文化があり、なおかつ協力し、支えてもらえることが児童にとっても本当に幸せなこと。来年以降もぜひ続けていただけたら」と話していた。
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