ボクシングの日本女子フェザー級チャンピオン・若狭与志枝選手=人物風土記で紹介=が12月6日、後楽園ホールで開催された日本タイトルマッチに臨み、挑戦者・三好喜美佳選手を退けて初防衛に成功した。
都筑区内の花形ボクシングジムに所属している若狭選手。週6日、ジムでのトレーニングに励む一方、日頃は中山にある緑郵便局で配達員として勤務している。
三好選手との初対戦は2020年に遡る。当時、勝利の女神は若狭選手に微笑み、第4代日本女子フェザー級王者の栄冠を手にした。
ただ、22年の再戦時には、挑戦者として猛攻に出る三好選手に敗北。王座からの陥落を余儀なくされた。同年、もう一度試合で拳を交える機会を得るも、再びの敗戦。2連敗の屈辱を味わった。
返り咲き、再び頂点に
王座への返り咲きを誓い、今年7月、当時のチャンピオン・藤原茜選手に挑戦した若狭選手。勝利を掴み取り、再びチャンピオンベルトを獲得した。
真っ白なベルトの、ずっしりとした重み。今回のタイトルマッチでこれを奪いに来るのは、これが4度目の対戦となるあの三好選手だ。「絶対に勝ちたい」。強い気持ちを胸に「10月からほぼ毎日実戦練習」を重ね、その回数は「250ラウンド以上」に上った。
迎えた決戦の日。会場に駆け付けた職場の仲間たちからの声援を背に、リングに立った。三好選手については「距離を取って、テンポ良く打ってくる『きれいなボクシングをする選手』」と感じている。一方、自身は接近戦での打ち合いを得意としているため、当日は「相手に足を使わせず、自分の得意な距離で戦う」戦略で臨んだ。
試合開始。持ち味である力強い左右のフックに加え「今回、アッパーを何度も当てることができた」。気持ちを切らさず、集中して2分6ラウンドを戦い抜いた。
勝敗は判定へ。会場中の観客が固唾をのんで見守る中、ジャッジは3―0。初防衛に成功した。
「自分自身に勝った」
「うれしかった。2回も負けている相手だったので、まるで『自分自身に勝った』ような気持ちになった」。そう語る若狭選手は、次なる目標として「世界チャンピオンになりたい」。湧き上がる闘志を全身にみなぎらせ、決意を口にした。
緑郵便局の石田圭司局長は、少しでも力になれればと、若狭選手の名を記した大きな横断幕とたくさんの団扇を自身で手作り。会場に横断幕を設置し、団扇を配り、リングサイドで大きな声で応援していた。「あっと言う間の6ラウンド。『おめでとう』と叫びました。よくやってくれた」と勝利を称えた。
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