横浜市消防局緑消防署鴨居消防出張所に配備されている排除工作車が来年3月中旬に、新たな車両と入れ替わることとなった。同出張所によれば、格納式アームを搭載した自走式の排除工作車は全国でも珍しく、各地から見学に訪れる人が後を絶たないという。
排除工作車は災害現場での救助救出活動などを主な目的とする車両。震災時の倒壊建物の排除や破壊、風水害時の道路の障害物撤去などにあたる。悪路等を考慮した四輪駆動で、油圧ショベルや鉄筋カッター、油圧フォークなど、アームの先のアタッチメントを交換することで、さまざまな災害に対応できる。
鴨居消防出張所に配備されている車両は2000年に導入。市内で唯一の排除工作車となる。もともとは白山消防出張所に配備されていたが、同所に救急隊が配置されることに伴い、敷地の広さと市内への移動の利便性を考慮し、鴨居消防出張所に移された。
自走式ではあるが、最高速度は時速50Km。長距離移動には適さず、基本的に出動は横浜市内のみとなっている。特殊な火災や災害に出動するため、稼働の機会はそう多くないというが、「この車両が活躍するのは災害などの緊急時。出動が少ないならそれがいい」と長坂康洋所長は話す。
全国に数台?
長坂所長によれば、同車両が鴨居消防出張所に配備されていることを調べた「働く車マニア」の人が見学に訪れることもある。最も遠い所では、香港から見学に来たファンもいたそうだ。
「正確な情報は把握していませんが、そういった方の話では、北海道の旭川市にショベルカーベースの排除工作車があるそう。自走式の車両は、日本中で数台しか残っていないという話も聞きます」と長坂所長。
思い入れを持つのは、付き合いの長い署員も一緒。長坂所長は、自ら運転できるよう教習所に通い、「車両系建設機械(解体用)(整地等)」の運転技能講習を修了したという。ただ、近年では機動性が重視され、クローラー式の重機をトラックで災害現場に運び、作業にあたることが増えている。そのため、同車両も3月中旬に同様の新型車両と入れ替えられるという。
鴨居の希少な排除工作車は、1月11日(土)に十日市場消防訓練場・スポーツ広場で行われる緑区消防出初式に出動する予定だ。「もしかしたら雄姿を見られる最後の機会になるかもしれません。ぜひ、目に焼き付けていただければ」と長坂所長は話している。
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