2月に全館リニューアルオープンする横浜美術館の館長を務める 蔵屋 美香さん 西区在勤
全市民が楽しめる空間に
○…生まれも育ちも千葉県千葉市。幼いころから「絵が上手」と周囲に褒められ、ずっと絵や漫画を描いていた。高校時代は美術部に所属し、東京の女子美術大学洋画(油絵)専攻に進むが「漫画家になりたい」という思いが強く、全力で取り組めなかった。卒業後はパッケージデザイナーとして外資系企業に就職するも会社が日本から撤退。アルバイト生活を経て一念発起し、千葉大学大学院に進学する。
○…大学院では芸術学を専攻。初めて批評を書いた時に「私はこれが得意なんだ」とすぐに自らの武器に気付いた。修士課程修了後、28歳で東京国立近代美術館に採用され、作品への独特の視点を生かし、名物キュレーターとして多くの企画展を開催したほか、13年にはヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展で特別表彰を受賞するなど、国内外に知られる存在に。「やれることはやり切った」と思った頃、横浜美術館前館長の逢坂恵理子氏から誘いを受けて、20年4月、館長に就いた。
○…横浜美術館は「開館以来、実施された企画展の8割には来ていた」と振り返る。就任以降、「横浜市民は美術館で『学ぶ』より『楽しむ』生き方をしている人が多い」と分析。「一人ひとりのニーズが、より具体的に分かるようになった」と話し、エレベーター新設や授乳室の増設、調乳器の導入など、子育て世代も障害がある人も気軽に楽しめる空間づくりを心掛けた。
○…読書、音楽、映画などの趣味はすべて仕事に結び付けてしまうが、8年前に始めたヨガは別。「普通はしない体勢をするから余計なことは考えられない。だから頭がスッキリして生活全体をリセットできる」。スッキリした頭で市民を喜ばせるアイデアを次々と生み出していく。
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