霧が丘中学校 小学校給食を有料提供 市教委がモデル実施
霧が丘中学校(阿部康一校長)で9月25日から10月5日までの期間限定で、小学校で作った給食を中学校の昼食として有料提供するモデル事業が実施されている。市内初の取り組みで、弁当を持参できない生徒への対応の一環。市では、モデル事業をもとに、より望ましい学校昼食の在り方を検討していく予定だ。
現在、市内の市立中学校148校では、学校給食は行われておらず、生徒は家庭から持参した弁当を昼食としている。
市は昨年12月に、家庭からの弁当持参状況や弁当昼食の課題を把握することを目的に、生徒・保護者・教員ら約5000人を対象としたアンケートを実施。調査結果によると「毎日持参している」という生徒が81・7%、「週3〜4日持参している」が14・5%だった。一方で、持参できない生徒は、通学時にコンビニなどで弁当やパンなどを購入している現状があった。
市はこうした現状を受け、温かく栄養バランスの良い昼食を提供することを目的としたモデル事業の実施を決定。今回は、小中一貫校で校舎が隣接しており衛生面で効率的、小学校の給食室に規模的余裕があるなどの点を考慮し、霧が丘中学校を選定した。
1食650円で提供
モデル事業は小学校で作られた給食を、消毒が施された車両で中学校へ運搬。1食650円で生徒へ有料提供するというもので、生徒は事前に渡された献立を見た上で、数日前までに注文する形式が取られた。
注文状況は1日平均で約7食。給食を注文した同校3年の生徒からは「小学校以来の給食で食べて懐かしかった」「栄養バランスも良いと思うし美味しかった」などと好評の声が多かった。
霧が丘中学校の阿部校長は「弁当は、生徒の体調や体質にあった食材や量などに合わせ、作ることができる。両親が共働きの家庭も増え、今後は社会の現状に合わせた昼食の方法を考えていかなくてはいけない」と話している。
横浜市では、交通状況などの問題から、給食をまとめて作り、運搬するセンター方式の導入は難しいのが現状で、昼食は弁当持参が基本となる。
市教育委員会の担当者は「衛生面や当日の注文が可能かどうかなど、モデル事業の結果を検証し、弁当を持参できない生徒へのより望ましい対応方法を考えていきたい」としている。
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